【アーリントン(米テキサス州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、今季最終戦に登板しないことが決まった。ベーブ・ルース以来として期待された「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」は来季へ持ち越し。残り4試合は打者に専念し、逆転での本塁打王を目指す。「1番DH」で出場したこの日のレンジャーズ戦は、アーチこそなかったものの5打数2安打。史上6人目となる45本塁打&25盗塁を記録するとともに、100得点もマークし、メジャー初の「クワドラプル100」を達成。記録ラッシュの1日になった。

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<解説>本塁打や打点など、目立つ打撃タイトルとは異なり、得点がクローズアップされることはさほど多くない。だが、日本人としては08年イチロー以来となる100得点の価値は、チームへの貢献度からも極めて高い。

得点の場合、まず出塁することが大前提となる。無論、後続打者の進塁打や適時打などがない限り、得点できない。主に上位打線の大谷は、自らの本塁打で45回ホームを踏んだ一方、安打や四球で出塁した後、26度の盗塁で進塁した。卓上ゲームの野球盤で安打ごとに「1コマ」ずつ進むように、1つでも前の塁へ進めば、それだけ生還するチャンスは広がる。今季のエ軍の場合、トラウト、レンドン、アップトンら中軸を故障で欠いただけに、得点を重ねることは決して簡単ではなかった。

29日終了時点で、メジャーで100得点に到達した選手は、わずか14人しかいない。豪快な本塁打だけでなく、8月31日の本盗をはじめ、相手のスキを突く好走塁があったからこその100得点。優勝争いをしている攻撃力のある上位球団ではなく、低迷しているエ軍で到達した節目の数字は、称賛に値する。【MLB担当=四竈衛】