マリナーズ菊池雄星投手(30)が来季の選手オプション(選択権)を行使せず、FAとなることが3日(日本時間4日)、明らかになった。

19年入団時にマ軍と結んだ条件は、最長7年の一方で、3年目終了後に双方が選択権を持つ特殊な契約だった。菊池がオプションを行使すれば1年契約で残留(年俸1300万ドル=約14億3000万円)。マ軍が行使すれば、その後4年間の契約(総額6600万ドル=約72億6000万円)が保証された。だが今回、両者が選択権を破棄したことでFAとなった。この契約終了にともないマ軍から西武に支払われる譲渡金も確定した。金額は菊池の年俸総額に応じて決まるため、当初見込まれた4年契約(3年+選手オプション1年)で想定した場合の1027万5000ドル(約11億3000万円)には届かず、815万ドル(約8億9700万円)となる見込みだ。

今季の菊池は、前半戦に安定した成績を残して初の球宴に選出。しかし後半戦は調子を落とし、最終的に7勝9敗、防御率4・41でシーズン戦を終えた。当初は、菊池が選択権を行使して残留が濃厚と見られていたが、今後は全球団との交渉が可能となる。あらためてマ軍と交渉を進める可能性は残されているものの、FA市場に出れば年齢的にも複数年契約は可能で、複数球団が興味を示す可能性は高い。今オフはシャーザー、カーショー(ともにドジャース)、レイ(ブルージェイズ)らベテランの大物先発陣がFAとなるだけに、水面下では複雑な駆け引きが繰り広げられそうだ。【MLB担当=四竈衛】