依然としてコロナ禍の影響を受ける中、21年のMLBは無事に公式戦162試合を終えました。エンゼルス大谷翔平投手(27)がベーブ・ルース以来となる「二刀流」の大活躍で全米中を沸かせ、MVPなど各タイトルを総ナメにするインパクトを残しました。では、22年はどう動くのでしょうか? 大谷への期待度、メジャーの今後動向などについて、斎藤庸裕、水次祥子、四竈衛の日刊スポーツMLB担当記者3人が、新年を機にざっくばらんに語り合いました。

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四竈 昨季で大谷の実力は証明されたけど、正直なところ、2年連続MVPの可能性はあると思う?

斎藤 可能な能力はあると思います。おもしろくないコメントですみません…。

水次 ケガをしなければ、可能性は十分にあると思います。

四竈 周囲のMVPの常識を変えてしまったわけで、普通に「二刀流」を続けられれば、かなりの確率で取るような気がする。実際、他の選手と比較できないジャンルになってしまったわけだから。再び1位票独占なら、連続どころか史上初の2度目満票選出となる。大谷以外で今季のイチ推し君は誰だろう?

水次 私はダルビッシュ(パドレス)。昨季は後半苦しんだので、今季は年間通して活躍してほしいです。シャーザーとかも37歳でやってます。まだ技術は向上できると思いますし、研究熱心な選手なので、これからも期待したいです。

斎藤 僕は秋山(レッズ)の底力を見たいです。(契約最終年で)もう後がない感じですけど、そういう時にどういうパフォーマンスを見せてくれるのか、すごく興味深い。チャンスはあると思いますし、本人も結果を残さなきゃいけないのは自覚しています。あとは、日本人選手としては初めて右の大砲ともいえる鈴木誠也が、どんなプレーを見せてくれるのか。

四竈 僕は筒香(パイレーツ)。複数年でなく、1年契約にしたのは自信の裏返しで、今オフ、またFA市場に出るというのは覚悟あってのこと。パイレーツでの活躍もそうだけど、シーズン中にトレードで強豪球団に移籍してポストシーズンで打ちまくる姿も見てみたい。新年だし、本当はデッカイ夢を語りたいところだけど、コロナ禍で夢を語るのも、何かピンとこないのかな。

水次 いやいや、それでも大谷には大いに期待したいですし、メジャー全体で盛り上がってほしいですね。

斎藤 おっしゃる通り。今季は大谷だけでなく、日本人メジャーには、我々が想像できないようなパフォーマンスでビックリさせてほしいですね!

◆斎藤庸裕(さいとう・のぶひろ)米ロサンゼルス在住。ロッテ、楽天担当などを経て、14年に渡米。スポーツビジネスを学び、18年からエンゼルス大谷番。

◆水次祥子(みずつぎ・しょうこ)ニューヨーク大でジャーナリズムを学ぶ。03年の松井秀喜ホームデビュー戦満塁弾など、球史に残る場面に多数遭遇。

◆四竈衛(しかま・まもる)長崎県出身、米アリゾナ在住。北関東支局を経て、巨人、ヤクルトなどを取材。99年からメジャー担当。趣味は料理とゴルフ。