新労使協定を巡るMLBと選手会の交渉が1日(日本時間2日)に再開するも、大きな進展はなかったと複数の米メディアが報じた。今月中旬からスプリングトレーニングが始まる予定だが、ESPNのジェフ・パッサン氏は「スプリングトレーニングが予定通り開催されるためには奇跡が必要。延期は避けられない状況」と伝えた。

米メディア「ジ・アスレチック」のイバン・ドレリッチ氏によるとロックアウト突入後3度目となる今回の交渉は約1時間半行われ、選手会が修正案を提示。修正案では年俸調停権を取得する前の選手を対象とするボーナスプールを前回要求した1億500万ドル(約116億円)から1億ドル(約110億円)へ引き下げた。また、トッププロスペクトのデビューを意図的に遅らせてFAを長引かせる手法への対策として、ルーキー選手がその年のWAR(選手の評価指標)上位に入った場合にフルシーズンのサービスタイム(ベンチ入り26人枠に登録された日数)を付与する案についても譲歩。WARの基準をポジション別で上位10位以内から、7位以内(投手と外野手は上位30位以内から20位以内)に変更した。一方、大きな争点とみられるぜいたく税に関する提案はなかったという。

MLBと選手会は前回の労使協定の期限が切れた先月1日までに新たな労使協定に合意できず、同2日にロックアウト突入。契約交渉が一切できなくなり、広島からポスティングシステムを利用した鈴木誠也外野手や、マリナーズからFAとなった菊池雄星投手ら未契約選手に影響を及ぼしている。