【アナハイム(米カリフォルニア州)11日(日本時間12日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が今季初盗塁をマークし、快勝の流れを生んだ。

マーリンズとの交流戦に「1番DH」で出場し、第1打席で中前へクリーンヒット。二盗でチャンスを広げ、初回の3得点につなげた。右の主砲トラウトが胃痛で欠場し、大谷も本塁打と打点がない現状だが、若手と新戦力が活躍。今季2度目の登板となる14日(同15日)のレンジャーズ戦へ、チームに弾みがつく勝利となった。

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エンゼルスの先制攻撃は、大谷から始まった。1回、1番打者で打席に入ると、フルカウントからの8球目、外角の直球を捉えた。中前へのクリーンヒット。続く2番レンドンの7球目、スタートを切って二盗に成功した。チャンスを広げると、2死一、三塁から5番マーシュの3ランで先制のホームを踏んだ。2試合連続安打と今季初盗塁。足も絡めながら、チームに流れを生んだ。

第2打席以降は、タイミングを崩されて凡退した。開幕5試合で21打数3安打の打率1割4分3厘。まだ本塁打も打点もないが、大谷の代わりに新戦力が躍動した。投手では、レッズから加入した先発ロレンゼンが6回1失点と力投し、マドン監督は「素晴らしかった。ここまで圧倒した投球は見たことがない」と絶賛した。打線は、2安打4打点を挙げた2年目のマーシュと、今季1号を放ったアデルの若手コンビが勢いをつけた。新加入のループ、テペラの中継ぎ陣も好投し、守護神イグレシアスへとつないだ。

2番で出場予定だったトラウトが、胃痛で欠場。大谷、トラウトの打撃力に依存しがちのチームだが、左右の主砲が本調子ではなくても、勝ちにつなげる形を作った。試合前、マドン監督は大谷の次回登板予定について、14日の敵地レンジャーズ戦と明かした。リアル二刀流で今季初勝利を目指す大谷にとっても、チーム状態が上がってきたことは好材料だ。

大谷は開幕から1番打者で出場しながら、投手としても調整を継続。この日の試合前にはキャッチボールで次回登板への準備を整えた。試合終了後のクラブハウスではマーシュらと談笑し、楽しそうな表情を見せた。投打がかみ合っての快勝で、チームも上昇気流に乗った。