エンゼルス大谷翔平投手(28)が、1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した。「2番投手兼DH」として出場し、6回4安打無失点、3四球5奪三振と力投し、自身メジャー初の2桁勝利となる今季10勝目(7敗)を挙げた。打っては、イチローを抜き日本人歴代2位の通算118号となる今季25号を含む4打数2安打1打点。「二刀流」で全開の活躍を披露し、偉業を達成した。

1回はわずか5球、2回も9球で仕留めるなど、快テンポで滑り出した。3回2死一、二塁のピンチではライナーが左足首付近を直撃するアクシデントに見舞われた。直後は足を引きずりながら、ネビン監督代行、トレーナーらに付き添われてダッグアウトへ戻ったが、その後も続投。6回まで無失点に封じた。「結構まともに当たっていたので、しんどいかなと思いましたけど、何とか集中してなるべく多く投げるというつもりでした」。

4-0と4点をリードした7回無死の第4打席には、ア軍の救援左腕セルマンに対し、カウント0-1から78マイル(約126キロ)のスライダーを低空ライナーで右翼席最前列へ運ぶ25号ソロ。自らリードを広げ、その裏、救援陣にマウンドを託した。8回の打席では、代打を送られて交代。お役御免となった。

大谷が投手として白星を挙げ、自ら本塁打を放ったのは、メジャーで3回目となった。

試合後は、尊敬するイチローの数字を超えたことについて、「タイプ的な違いはあると思うんですけど、そういう選手の一部の記録を超えられてすごく光栄ですし、もっともっと打ちたいと思います」と、淡々と話した。

また、ルースと比較されることについては「光栄なことだなとはもちろん思いますけど、あまりシーズン中とか、自分の今の数字がどういう印象なのかなとかは、あまり分からないものだと思うので、終わった後にどんなシーズンだったのか振り返られればいいかな、と思っています」と、最後まで表情を変えることなく、思いを口にした。