阪神からポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指す藤浪晋太郎投手(28)の移籍交渉で8日(日本時間9日)、ダイヤモンドバックスが1歩リードしていることが分かった。複数の米球界関係者によると、ダ軍はメジャー契約を用意。将来的なクローザーとしての可能性を含め、潜在能力を高く評価しており、興味を示す複数球団の中でも最有力候補に浮上した。

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激しい動きを見せるFA市場の中で、藤浪を巡る動きが活発化してきた。前日7日まで米サンディエゴで行われていたウインターミーティングでは、大物FA選手の大型契約がまとまる一方で、藤浪の新天地もダ軍が最有力候補に浮上していた。

球団再建を進めるダ軍は、今季地区4位に終わったものの、27歳のゲーレンが自己最多の12勝を挙げてエース格に成長し、ベテラン左腕バムガーナーも健在。徐々に戦力は整備されてきた。もっとも、17年以来のポストシーズン進出を果たすためには、今後もアップグレードが不可欠。そのキーマンとしてダ軍が目を付けたのが、大阪桐蔭高時代からチェックを続けてきた藤浪だった。

現時点で藤浪自身は先発を希望しているものの、今季は課題の制球力が格段に改善されたこともあり、ダ軍は救援としての適性にも着目。100マイル(約161キロ)を超える速球と、空振りが取れる高速フォークを武器とする投球スタイルを「メジャー向き」と見込んでおり、将来的にはクローザー候補となる可能性を含めて高く評価している。条件的にはメジャー契約で、今季の推定年俸4900万円を大幅に上回る200万ドル(約2億8000万円)以上を用意しているものとみられる。

6日には、代理人ボラス氏が「入札する球団は1、2週間で分かるだろう」と明かしており、交渉が具体化していることは間違いない。ダ軍のほか、レッドソックス、ジャイアンツなど複数球団が興味を示しており、今後も水面下での攻防は続く。それでも、ダ軍がリードしたことで、来年1月14日(同15日)の交渉期限を待たず、早期決着する可能性も出てきた。

 

◆ダイヤモンドバックスに所属した日本人 12年に斎藤隆が初めて所属。18年には平野佳寿がオリックスからFAで加入。2年間で47ホールドを挙げるなど、セットアッパーとして活躍した。傘下マイナーには元ロッテ、DeNAの中後悠平が16~18年に、元パナソニックの吉川峻平が今年3月までプレーしていた。

◆アリゾナ・ダイヤモンドバックス 98年に球団拡張で誕生。ナ・リーグ西地区所属。01年に史上最速となる創設4年目でワールドシリーズ制覇。地区優勝5度、リーグ優勝1度。本拠地チェースフィールドは、米国初の開閉式屋根付き天然芝球場で、外野席にプールがある。チーム名の意味は「ガラガラヘビ」。

◆ダイヤモンドバックスの投手陣 今季のチーム防御率は4・25でナ・リーグ15球団中11位。特に奪三振が少なく、奪三振率7・65は同13位だった。先発は今季13勝を挙げた34歳のベテラン右腕M・ケリーと12勝のゲーレンが中心。通算134勝の左腕バムガーナーも控える。今季4番手だったデービーズはFAに。来季は4番手、5番手を若手に任せる公算が大きい。救援で安定していたのはマンティプリーぐらいで、57試合登板のケネディはFAとなるなど手薄。ヤンキースからFAのカストロを獲得した。

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