阪神からアスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手(28)が15日(日本時間16日)、米アリゾナ州メサの施設でバッテリー組のキャンプ初日を迎えた。この日は新背番号11のユニホームは披露せず、チームパーカやTシャツで練習。キャッチボールや投内連係、ランメニューなど約1時間30分の全体練習を終えた。

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渡米直前、アスレチックス藤浪と背番号の話になった。

11番の正式発表と前後するタイミングで、19番を背負っていたエース格の左腕アービンが移籍。「結果的には阪神時代と同じ19番をもらえたね」。苦笑いで問いかけると、197センチは長い首を「いやいや」と振った。

「全然いいんです。11番は本当にずっと付けたかった番号なので」

パドレス・ダルビッシュを尊敬する感情はそれほど強い。

藤浪は昨年9月に通算1000奪三振を飾った直後、その1週間ほど前に日米通算3000奪三振を達成していたダルビッシュと自分を比較し、苦笑いしていた。

「異次元です。自分とはレベルが違う。すごすぎる」

2人は18年1月に米テキサスで自主トレを共にした間柄。米国トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」の道具を譲り受けたこともある。後輩からすれば、今も背中を追い続ける存在に変わりない。

わざわざ説明するまでもないが、古巣阪神の「11」は村山実のモノで永久欠番。今回はダルビッシュの代名詞を背負える、またとないチャンスでもあった。

たとえ「19」が空き番号だったとしても、欲していたかもしれない11番。キャンプ初日はお預けを食らったが、向上心が宿る新背番号を早く見たい。【野球デスク=佐井陽介】