ベーブ・ルースのヤンキースタジアム1号から満100周年の記念日に、エンゼルス大谷翔平投手(28)も「祝砲」の決勝弾を打ち上げた。

大谷は「2番DH」で出場し、1回無死二塁で迎えた第1打席、弾丸ライナーの先制2ランを放った。7戦ぶりの今季4号からチームもリードを守り、2連勝で再び貯金1とした。

この日は、旧ヤンキースタジアム開場100周年の記念日。「初代」ヤンキースタジアムは別名「ルースが建てた家」とも呼ばれ、1923年に完成。同4月18日、初の公式戦には7万4000人以上もの大観衆を集めて、開幕戦に宿敵レッドソックスを迎えた。

移籍4年目のルースは右翼守備に就く際、周囲を見回しながら1分ほど沈黙。そして「大した球場だ!」と目を細め、「開幕戦でホームランを打てたら、寿命が1年縮んでもいい」と感激したという。その言葉通り、3回に新球場第1号となる3ランを放った。

ルースは通算714本塁打のうち、ヤンキースタジアムで259本をマーク。開場記念日に打ったのは、この開場年と1929年の2回だけだった。

旧ヤンキースタジアムは老朽化により、開場50周年の73年に解体され、76年に同じ場所に新装オープン。松井秀喜外野手らが本拠地にした「2代目」も2008年に役目を終え、09年からは隣接地に建設された「3代目」へバトンタッチされた。現球場も左の強打者に有利な構造を残すなど、「ルースが建てた家」の伝統を受け継いでいる。