レッドソックス吉田正尚外野手(29)の打点量産が止まらない。4日(日本時間5日)、本拠地ブルージェイズ戦に「2番左翼」で出場。先制の6号ソロを放つなど3安打3打点で、14試合連続安打をマークした。前日の第4打席から、5打席連続打点と日本人初の記録。WBCの打点王が一段と加速し始めた。

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広角に打ち分けるだけでなく、パワーと勝負強さを兼ね備えた吉田の持ち味が凝縮された3安打だった。1回、通算78勝ガウスマンの初球。真ん中付近へ甘く入った時速92マイル(約147キロ)の速球を完璧に捉え、右中間のブルペンへたたき込んだ。「1球で仕留められたのは良かった」。試合後の冷静なコメントをよそに、初対戦ながら狙い球を絞っていた。

「落ちる球があると聞いていたので、若いカウントで真っすぐを打てればいい」。ガウスマンの宝刀スプリットを待つのではなく、カウント球の速球をジャストミート。事前の周到な準備で、先制弾につなげた。

2回2死三塁の第2打席では、高めに浮いたスプリットを振り抜き、右前適時打。4回無死三塁の第3打席では、外角速球を振り払うかのように三遊間を破る左前適時打と、状況やカウントによって打球方向を操る、秀逸なテクニックをちりばめた。前日の第4打席から5打席連続打点は日本人の誰もが記録したことがない。この日で今季58奪三振と、エンゼルス大谷(59奪三振)に次ぐメジャー2位の怪腕ガウスマンでも、吉田のバットは止められなかった。

4試合連続マルチ安打で打率は3割1分7厘まで上昇。今季最長の6連勝を飾ったレ軍は、貯金を「5」まで積み上げた。「ブルージェイズとは同じ地区なので、この4連勝は大きい。連勝を続けられるように頑張りたい」。WBC史上最多の13打点を稼いだマッチョマンが、故障から復帰後、初打点を挙げた4月20日のツインズ戦以降の14試合で18打点。今季24打点はリーグ7位タイだ。連勝の立役者は、舞台が変わってもスタンスを変えてはいない。

▼吉田が3日の第4打席から、この日の第3打席まで5打席連続の打点。日本人選手が5打席続けて打点を挙げるのは、吉田が初めてになる。過去は4打席連続が最長で、松井(ヤンキース)が04年8月5~6日、大谷(エンゼルス)が21年6月27~28日、22年6月21日の2度記録していた。

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