【カンザスシティー(米ミズーリ州)18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、また打った。ロイヤルズ戦に「2番DH」で出場し、第3打席で24号逆転2ラン。通算224勝のベテラン右腕グリンキーから初本塁打となる決勝弾を放った。15試合連続安打をマークし、7戦6発の量産態勢で本塁打数はリーグトップを独走。打点との2冠をキープした。21年シーズン以来となる父の日の1発で、1勝&6発の二刀流全開ウイークを華々しく締めた。チームもア・リーグで西地区単独2位に浮上し、ワイルドカード争いでも2位につけた。
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大谷は鋭い眼光を見せながら、考えた。1点を追う5回無死二塁、通算224勝を誇る百戦錬磨の右腕グリンキーと対戦。「頭のいい投手だと思うので、1試合の中でちゃんとストーリーを作って投げてくる」。約3分間、6球の間に頭脳戦が繰り広げられた。「なんとか(走者が)進塁できれば」。3球目、内角低めスローカーブを右へ引っ張った。一塁側へのファウル。4球目の低めチェンジアップもファウルで、その分、わずかな時間が出来た。打席を外し、再考した。
グリンキーもピッチクロックの制限時間20秒を目いっぱい利用した。打者心理を読み、狙いを外す熟練された投球術。フルカウントから選択した球種は再びスローカーブだった。2打席目で空振り三振に仕留めた決め球。投手からすれば三振を取りたい場面だが、二刀流の大谷も心理を理解する。3球目よりボール2つ分だけ高く入り、待っていたかのように確実に捉えた。「結果的にホームランにはなりましたけど、しっかりコンタクトできたのが良かった」。ミート重視で振り抜いた角度22度の打球は右中間フェンスを越えた。
試合前時点で、同投手とは19打数4安打の打率2割1分1厘。初対戦は4年前の19年で、3打数無安打だった。当時の印象は「分からないまま終わった」と完敗だった。だが、経験を踏まえ、いずれ攻略する。バーランダー(現メッツ)やコール(現ヤンキース)とも最初はコテンパンにされながら、やり返してきた。
グリンキーからの初本塁打に「今まであんまり打ってなかったので、まず1本打てて良かった」。前日のメジャー通算150号とは違い、勝ちに直結した逆転弾を「シチュエーションが良かったので、素直にうれしい」と喜んだ。メジャー6年目。経験が強みとなり、着実に形となっている。
○…不敗神話が続き、エンゼルスはア・リーグ西地区単独2位に浮上した。24号2ランを放った大谷の直後、トラウトが15号ソロで2者連続本塁打を飾った。2人のアベックアーチ「トラウタニ弾」は通算28度目で20勝8敗、今季は6戦6勝。この日は連発だったためか、大谷から恒例のかぶとをかぶせてもらい、祝福された。トラウトは「ダッグアウトにいって翔平がかぶせてくれるのはとてもクールだね。(打撃の)感覚もすごくいい」と笑顔だった。
▼大谷が12~18日の7試合で23打数10安打(打率4割3分5厘)、6本塁打、12打点。大リーグ移籍後、月曜日から日曜日までの週間成績で、6本塁打は21年6月28日~7月4日に並ぶ自己最多。12打点は過去3度あった10打点を上回る自己新となった。15日レンジャーズ戦では勝利投手になっており、5度目の週間MVPはほぼ確実。5度はイチローに並ぶ日本選手最多となる。
▼大谷は大リーグ通算400打点に到達。日本選手の400打点は(1)イチロー780打点(2)松井秀760打点に次いで3人目。
◆大谷の父の日弾 日米を通じ、21年6月20日タイガース戦に次いで2年ぶり2本目。前回は3試合連続本塁打となり、この週に今回と同じ自己最多の週間6発を放って3度目の週間MVPに輝いている。



