エンゼルス大谷翔平投手(28)が、3年連続3度目のオールスター戦(7月11日、シアトル)出場が決まった。大リーグ機構がファン投票1次結果を発表し、大谷が264万6307票(DH部門)でア・リーグ最多得票を獲得。全ポジションを通じた各リーグの最多得票選手として、スタメン出場も決まった。リーグ最多得票は初で、日本人選手では03年イチロー(マリナーズ)以来20年ぶり2人目。前夜祭で行われるホームランダービー参戦にも、期待が高まっている。

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今年は日本選手ゆかりのシアトルで、夢舞台に立つ。大谷は全体2位ビシェット(ブルージェイズ)に54万票差ものリーグ断トツ票を獲得。ファン投票の結果は6月中旬から2度の中間発表があったが、第1回の約8万票差、第2回の約30万票差からさらに差を広げ、トップ通過を果たした。6月は打撃絶好調で5度目の週間MVPを獲得した勢いも後押しした。

リーグ最多得票は、日本人では1年目から3年連続で両リーグトップ得票だったイチロー以来の快挙。チーム休養日で試合がなかった大谷は、球団を通じ「投票してくれたすべてのファンに感謝したいと思います。とても名誉なことだと思います。これをモチベーションに、グラウンド上で全力を尽くし続けたい」とコメントした。

シアトルでの球宴開催はくしくも、イチローが初出場した1年目の01年以来となる。初の日本人メジャー野手が初打席でランディ・ジョンソンから快足を飛ばして内野安打を奪い取り、真夏の祭典を盛り上げた。大谷も今や、ビジター球場でも拍手が起きるスター選手。3度目の出場で期待されるのは、初本塁打だ。初出場の21年は無安打も、先発マウンドにも上がって初勝利を飾った。打者専念の昨年はカーショー(ドジャース)から第1打席でオールスター初安打(中前打)。日本人では07年にイチローが史上初のランニング本塁打でMVPも獲得したが、スタンドインはない。大谷は今季24本塁打でメジャートップに立っており、初アーチに期待が膨らむ。

7月2日(日本時間3日)には、選手間投票などによる全選出選手が決まる。大谷は投手でも6勝、117奪三振はリーグ2位。2年ぶりの二刀流出場にも期待は高まる。シーズン中とはひと味違ったパフォーマンスで魅了する企画もあり、昨年はプレーボール直前にリポーターから意気込みを問われ、「ファーストピッチ(初球)、フルスイング!」と宣言した。今年も、エンターテイナー大谷のショータイムから目が離せない。【斎藤庸裕】

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