エンゼルス大谷翔平投手(29)は今、何を思う-。「2番DH兼投手」で出場したパイレーツ戦で6回1/3を投げ、6安打5失点。自己ワーストの1試合4本塁打を浴びたが、今季8勝目を挙げた。チームは4連勝で貯金2。ワイルドカード獲得圏内まで4ゲーム差とし、プレーオフ進出争いへ踏みとどまった。

8月1日(同2日午前7時)に期限が迫るトレード、シーズン後のFA移籍、長期契約…。周囲がざわつく中、大谷が胸中を明かした。

   ◇   ◇   ◇

8月1日のトレード期限まで約1週間。その間に限れば、本拠地での登板はこの日だけ。最後になる可能性が脳裏によぎったか-。大谷は少し笑って答えた。

「それはないですかね。いま現在ここに所属してますし、まだ全然(プレーオフに)いける位置にいると思っているので、トレードに関してはあまり気にしないようにというか、今できることをまずやりたい」

日々、周囲はざわつく。クラブハウスでも同僚との会話で話題に挙がることもあるという。

「ジョークみたいな感じで、ふざけて言ったりとかは、この時期は誰しもが。うちは(プレーオフ進出へ)微妙な位置なので、買い手なのか、売り手なのか(※)、ちょっと分からないですし、ジョーク程度には言うんじゃないかなと思います」

開幕前、エンゼルスでワールドシリーズに進出したいと言った。4カ月たち、心境の変化はあるのか。

「6年目ですし、このチームでプレーオフに行きたい、そこで勝ちたい気持ちは変わらないので。チームとして、どういう判断するのかっていうのは正直分からないですし、それは僕の仕事外のところ。1試合でも勝って、ワイルドカード争いに僅差でいくしかない。また明日切り替えて、勝つというのが一番、このチームで勝つための、シンプルで必要なこと」

例年、シーズン終盤は消化試合の状況だった。緊迫感のある中でプレーし、勝つことを求めていた。

「去年、一昨年は完全に、売り手側だったので。チームの主力の選手が、他チームにトレードされる、それを見ている側だったのでチームとしての士気は全然違いますよね。今年みたいな位置にいるか、全くチャンスがない中では、1プレー、1プレーの気迫というか、そういうのはチームとしても変わってくるんじゃないかなと思います」

球団との話し合いは「何も話してないですね。ペリー(ミナシアンGM)とも、そんなにいま、クラブハウスで見かけてもいないですし、週に1回会うかどうかくらいの感じだと思う」。シーズン後にはフリーエージェント(FA)となる。移籍か、残留か、再契約の可能性はあるのか。

「シーズンはシーズンで集中したいという意思は変わっていないので。そういった話はしていないですし、チームとしてはいい状態だと思うので、この流れで引き続きいけるように。個人としてはそんなに、そこは気にしていないかなと」

この日は4本塁打を浴びながら、7回1死でリードを保って降板。4万人超のファンから拍手と大歓声を浴び、MVPコールも響いた。

「うれしいですし、反面、それなりのピッチングをしたかった」

勝つことが、何よりの喜び。試合後の表情は、すがすがしかった。

※トレード市場の買い手と売り手 プレーオフ進出へ、下位に沈む球団から即戦力の選手を獲得して補強を進める側が買い手。一方で、プレーオフ進出が見込めない球団は、売り手として主力を放出する代わりに、来季以降の戦いに向けて若手の有望株を獲得する。