レンジャーズのワールド・シリーズ制覇に貢献したマックス・シャーザー投手(39)は23年シーズン終盤、大谷翔平投手(29)との対戦について、自信をみなぎらせるように語った。21年のオールスター戦で1打席(二ゴロ)、レギュラーシーズンでは今年8月14日に初対戦。3打数無安打に抑えている。

「彼がいい打者なのは分かった。だが、僕は自分を信じて投げきることができるし、相手が誰であろうとアウトに出来る。ただ、1回アウトに出来たからといって、10回できるとは限らない。パフォーマンスを安定させないといけない」

メジャー16年間でサイ・ヤング賞3度、最多勝4度、最多奪三振3度、数々のタイトルを獲得してきた。好成績を継続するには、常に改善を重ねる必要がある。野球最高峰のリーグでトップに立ち、百戦錬磨の経験があろうと、うまくなるための貪欲な姿勢が尽きることはない。「メジャーリーグの選手は、常に良くなっていかないといけない。同じではいけない。同じレベルでいるということは、つまり悪くなっているということだ」と力説した上で、大谷の進化について太鼓判を押した。

「彼は間違いなく(年々)よくなっている。その1つが真の耐久力だ。マウンド上での耐久力というのが、彼の本当の潜在能力がどんなものかを示し、そして我々は、その真の潜在能力を目の当たりにした。実際に、投打の両方でどれだけ試合を支配できるか。それも、かつて見たことのないような形でね」

DH制がなかったナショナル・リーグで14年間プレーし、通算で529打席に立った。打率は1割6分8厘で、本塁打は1本。「僕も二刀流が出来たら良かったよ。少しだけやっていたけど、彼のようには決してできない」と笑った。二刀流の難しさを、身をもって実感している。シーズン終盤の8月下旬、右肘の靱帯(じんたい)を損傷し、再手術を行うこととなった大谷について、シャーザーは改めて願いを込めた。

「また手術をしないといけなくなったのは残念だが、野球のいちファンとして、もっと見ていたいし、見ていてとても魅力的だ。自分が出来ることと言えば、彼の回復と今後のベストを祈ることしかない」

今季を含め、ワールドシリーズ制覇を2度経験した。1度目は19年、ナショナルズ時代にエース右腕としてチームをけん引した。当時を振り返り、「あの時も良かった。僕らはアストロズに勝ったんだ」とうれしそうに言った。強敵との戦いは、心を躍らせる。復活をかける大谷に向けては「また対戦できることを楽しみにしているよ」と胸を張り、再戦を待ち望んでいた。【斎藤庸裕】

--【大谷翔平を語る】これまでの記事一覧--https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202311090001295.html-