ブルージェイズのボー・ビシェット内野手(25)は、大谷翔平投手(29)との共通点があった。21年から守備の要である遊撃のレギュラーに定着し、2年連続で159試合に出場。最多安打のタイトルを獲得した2シーズンとも、欠場は3試合だった。今季も8月上旬に右膝痛で負傷者リスト(IL)に入るまで、欠場はわずか1試合。二刀流でフル出場していた大谷にも負けず劣らずの鉄人ぷりだった。健康体をキープする秘訣(ひけつ)とは-。

「ショウヘイと比べれば全然、できてないよ。ただ、毎日プレーしたいし、試合に出れば出るほど学べることがある。多くプレーすれば、失敗もたくさんある。うまくなる最も早い道は、失敗することだと思う」

体に多少張りがあろうと、出場を続けることに重きを置くのは大谷と似通っている。もちろん、出続けたいという気持ちだけでは出来ない。食事や生活面で心がける工夫を明かした。

「食べ物が大事だと思っているよ。水をたくさん飲んで、多く睡眠をとる。トレーニングだったり、他のこともあるけど、大事なのは食べて、水を飲んで、寝ることかな」

体のリカバリーで最も大事なことに「睡眠」を挙げる大谷と共通する。「シンプルに、ライスと野菜、プロテインを摂取したりかな。あまり多くのチップスやクッキーは食べないようにしているよ」。162試合のシーズンを戦う上で、食生活の管理は欠かせない。

鉄人ぶりを発揮していた両選手だが、ともに体は悲鳴を上げた。今季、ビシェットは出場135試合。くしくも大谷と同じ出場数だった。25歳でまだ若く、今後も強豪チームを引っ張る存在となる。驚異的なパフォーマンスを続け、投打で対戦相手として戦う大谷の姿は、ビシェットにとってどう映っていたのか。

「今年の彼を見ていて、数字もそうだけど、全体的に前よりも断然、良くなっているように感じる。毎回、力強いスイングができるのは驚くべきこと。打席であふれる自信を見ても分かるが、彼がベスト選手と言って間違いない」

同僚や他球団の選手やコーチ、監督が大谷を最高のプレーヤーと評するのは、今や珍しくない。何を持って、ベストと感じるのか、その理由を明かした。

「彼は全てが出来るから。フィールド上の誰よりもパワーがあり、スピードもある。信じられないほど危険なバッター。パワーヒッターであると同時に、いろんな球種をヒットに出来る。彼の打ち取り方は、おそらくないように思う。それは、特別なことだ」

出場を続けることの難しさも理解する。その上で、全ての分野で秀でた大谷のプレーに、ビシェットはリスペクトを示した。【斎藤庸裕】