パイレーツのアンドルー・マカチェン外野手(37)は、6月11日に通算2000安打を達成した。オールスターに5度出場し、13年にリーグMVPを獲得。17年のWBCでは準決勝の日本戦で先制打を放ち、米国を初優勝に導く立役者となった。6年ぶりに復帰した古巣で、史上291人目の快挙を達成した。

エンゼルスとは7月に対戦し、大谷翔平投手(29)とフィールド上で顔を合わせるのは初めてだった。キャリアのほとんどをナ・リーグ東地区のチームで過ごし、ア・リーグの各球団と比較すると大谷との関わりは薄かった。それでもメディアなどから「たくさん(大谷について)質問されたよ」と、二刀流の驚異的なパフォーマンスは話題に挙がることが多かったという。その上で、大谷に向けて最大の賛辞を送った。

「米国だけでなく、野球界全体にとって影響力がある選手。現代の野球でベスト選手だからね。投手と打者で彼がやってきていることを考えれば、ベストプレーヤーの1人であり、この時代で、誰も見たことがないような選手だね」

二刀流のパフォーマンスはほとんど、ハイライト映像で確認してきたが、それでも進化を続ける大谷の姿は、印象に残っていた。

「とても素晴らしいプレーを続けている。打席では、21年にMVPを獲得した時よりも、よくなっているように見える」

シーズン中盤の7月、大谷は前年にヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)が樹立したリーグ新記録(シーズン62本塁打)に迫るほどのペースで本塁打を量産。マカチェンは「ジャッジと比較されるに値する。それは印象的なことで、彼がやっていることというのは、毎日見られるようなことではない」と、希少性を指摘した。

自身は通算2000安打、300本塁打、1000打点、1000得点、200盗塁以上を達成すれば、史上19人目となる。本塁打以外は既に到達しており、300本塁打までは1本。メジャー15年、ほぼ毎年、継続して好成績を挙げてきた熟練の好打者。メジャーを代表するベテラン選手として、今後の二刀流・大谷へエールを送った。

「このまま、素晴らしいキャリアを続けて、長い間プレーしてくれることを願っているよ」

大谷は9月下旬に右肘の手術を行い、来季は打者に専念する。投打の完全復活は25年シーズン以降となる。他球団の主力選手たちも、二刀流のカムバックを願っている。【斎藤庸裕】