渦中のドジャース大谷翔平投手(29)は、この日もグラウンドに立った。開幕2戦目のパドレス戦で「2番DH」で出場。初回に右前打、2回には犠飛を運んだ。
水原一平通訳が電撃解雇される中、勝利を求めて白球に集中。その後も何度もアーチを予感させる大飛球を運んだが、わずかに届かなかった。メジャーデビュー戦となった山本由伸投手(25)は1回5失点と壮絶なKO降板で黒星を喫した。パドレスが激しい打撃戦を15-11で制し、初の韓国開催となった開幕シリーズを1勝1敗のタイで終えた。
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朝、衝撃が走り、夜は激戦となった。野球以外でも注目を集めることとなった大谷は、2夜連続で快音を響かせた。第1打席、マスグローブの初球カットボールを捉え、右前にクリーンヒット。打球速度108・7マイル(約175キロ)の高速ライナーを飛ばした。さらに7回1死一塁、侍ジャパンの同僚でパ軍の松井とメジャー初対決。いきなり初球スライダーを捉えた。右翼フェンス手前で失速したが、大飛球で1万5928人のファンを沸かせた。
両軍合わせて33安打、26得点の乱打戦。序盤からともに投手陣が崩れ、両チーム13投手で15四死球。3失策もあり、大荒れの試合にド軍が敗れた。大谷は1安打1打点。試合後にメディアにクラブハウスが開放されても、取材対応はなかった。事前にチーム側から取材自粛が通達され、大谷のロッカー周辺を広報2人が厳重ガード。帰り際、米メディアの声かけにも「ノーノー!」と広報が制止し、着替えを済ませた大谷は「お疲れした」と会釈しながら、足早に引き揚げた。
前日の開幕戦は5打数2安打1打点。チーム初盗塁も決め、逆転勝ちに貢献した。だが、祝福ムードもつかの間、水原通訳の違法賭博の疑惑が翌朝に明らかになったことで、ド軍は同氏の解雇を決定。この日は、試合前から異様な雰囲気に包まれた。選手宿舎に大勢のメディアが詰めかけた。午後3時、試合前のクラブハウスには約30人の報道陣が狭いスペースで待機。だが、野手のチームミーティングが終わっても、大谷が姿を現すことはなかった。
前日は参加していた野手のウオーミングアップにも現れず、室内調整に終始した。初めてフィールドに登場したのは先発メンバーの発表時。普段通りの明るい表情だったが、とびきりの笑顔はなかった。いつもいたはずの水原氏が近くにいない。ぽっかり空いた穴の違和感は拭えなかった。
試合前の会見でロバーツ監督が「コメントできない。ショウヘイは(試合に出る)準備ができている」と話したように、大谷は影響を感じさせないプレーを見せた。ただ、両軍ともに投手陣が崩れ、打ち合いの激戦となった。水原氏の電撃解雇との関連性はないはずだが、結果的に山本の記念すべきメジャー初登板にも水を差し、後味の悪い形で韓国開催の開幕シリーズ2連戦を終えた。【斎藤庸裕】



