ドジャースの大谷翔平投手(31)が24日(日本時間25日)、自身のインスタグラムで来春開催のWBC参加を表明した。
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大谷のWBC出場表明が、連覇を目指す侍ジャパンにとって最高の知らせとなったことは言うまでもない。日本を代表して戦う意義、気概を知るだけでなく、今や世界的なスーパースターとなった大谷が、球界全体を背負う立場として自ら決断したことは想像に難くない。その一方で、「大谷VSジャッジ(ヤンキース)」の両リーグMVP対決を、「ベストシナリオ」としてイメージしてきたMLB機構をはじめ主催者側の思惑も見え隠れする。
06年の第1回当時、米国には開催国でありながらWBCを単なる「エキシビション」として捉えている雰囲気が充満していた。現役最盛期のジーター、A・ロッドらが出場した一方、引退間近のグリフィーJr.、クレメンスらが登録。春季キャンプ中でもあり、オープン戦の延長、調整の一環のようににこやかにプレーしていた。その後も、真剣度は変わらず、13年までの3大会で米国は1度も3位以内に入れず、批判的な声も聞かれるようになった。
だが、日本をはじめ、13年大会を制したドミニカ共和国など中南米各国での注目度が上がり始めたこともあり、17年にようやく初優勝した米国は、球界の発展という大義名分だけでなく、ビジネス面での魅力も察知した。23年の前回大会は、前年の球宴期間中に主将トラウト(エンゼルス)を発表。早い時期からチーム編成を進めるなど、ようやく勝利への執着心を見せるようになった。結果的に準優勝に終わったとはいえ、「大谷VSトラウト」で締めくくったラストシーンは、最高のエンターテインメントとして語り継がれる対決となった。
短期決戦だけに、最終的なシナリオは予想のしようがない。だが、CMなどの事前告知を含め、今後は大谷とジャッジの2人を前面に出していくことは間違いない。チケット販売だけでなく、放映権、スポンサー収入、グッズ売り上げを含め、東西のスーパースター2人の存在感は、グラウンド以外でも絶大。第1回当時、約20億円だった総収益は、前回の23年には5倍以上の推定100億円以上(未公表)に膨れ上がった。「大谷不在」のWBCを最も心配していたのは、日本のファン以上に、大会関係者だったと言っていい。【MLB担当=四竈衛】
◆WBC出場を表明済みのMLB選手 米国代表はア・リーグMVPのジャッジ(ヤンキース)が主将を務める。今季捕手初の60本塁打を放ったローリー(マリナーズ)ゴールドグラブ、シルバースラッガー賞遊撃手のウィット(ロイヤルズ)外野守備の名手クローアームストロング(カブス)と野手は豪華。投手はサイ・ヤング賞のスキーンズ(パイレーツ)ら。プエルトリコ代表はリンドア(メッツ)が主将、ベネズエラ代表はペレス(ロイヤルズ)が主将で、リーグを代表する選手が務める。



