【ボストン(米マサチューセツ州)5日(日本時間6日)=木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(35)が、9年連続9度目の大リーグオールスター出場を決めた。ニューヨーク、ロサンゼルスなど大票田の本拠地を持たないにもかかわらず、ファン投票で284万6069票を集め、ア・リーグ外野手部門2位で選出。06年以来の日本人プレーヤー1人の出場となった。今回、2度目のMVPを獲得すれば、メジャータイ記録。また新たな伝説をつくるか。

 今回のオールスターメンバーで、8度目の先発出場は両リーグを通じてイチローただ1人となる。それでも「最初は考えられないよね、誰よりも遠いんだもん。スタートした時には一番遠いところにいたわけだから、それを考えれば(投票してくれたファンに)ありがとうございますですね」と話した。

 胃潰瘍(かいよう)で開幕から8試合欠場。それを帳消しにするかのようにリーグ最多の27試合連続安打、自己ベストを更新する43試合連続出塁など快調に走り続けてきた。今回の夢舞台で最多出場はヤンキースのジータとリベラの10回。これには「僕は最初からここ(メジャーに)にいるわけではないんで。20歳からここにいるんならそう(最多を目指す)だけどね」。ただ07年オールスターではランニング本塁打を含む3安打2打点でMVPを獲得。62年からMVPが導入されてからはウィリー・メイズ、スティーブ・ガービー、ゲーリー・カーター、カル・リプケンの2度がメジャー最多。今回、イチローはまた新たな歴史に名を刻む可能性がある。

 この日のレッドソックス戦でシーズン折り返しの81試合目。相手先発レスターから右前打し、前半戦を117本で終え9年連続の100本超えで折り返した。「最低100っていうふうに考えていたので、プラス17ですからね。悪いわけはないわね、ペースとしては」と話した。ここまで73試合に出場し、1試合平均1・6本は、年間最多安打を更新した04年の1・63に次ぐハイペースだ。

 マ軍は球団史上初のレ軍との同一カード敵地3連勝を目指したが、痛恨の逆点負け。それでもドジャース、ヤンキース、レッドソックスと続いた鬼門ロードを5勝4敗と健闘した。「遠征が結構しんどかったからねえ、はよ帰りたい」。総移動距離6000マイル(約1万キロ)の遠征を終えシアトルに向かった。