<マリナーズ5-3レンジャーズ>◇12日(日本時間13日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(35)が2安打し、11試合連続ヒットで前半戦を締めくくった。胃潰瘍(かいよう)で開幕から8試合に欠場したが、今季40度目のマルチ安打をマークするなど、ア・リーグトップの128安打を記録。246本ペースで、前半戦で自己最高の打率3割6分2厘で折り返した。14日(日本時間15日)には9年連続のオールスターに出場する。

 イチローは球宴前の前半戦最後の試合を今季40度目のマルチ安打で終えた。4回2死満塁で、見逃せばボールの外角低めスライダーにバットを当てた。ボテボテの投ゴロになったが、「(セーフになる)確信なんてない」と俊足を生かし内野安打。貴重な打点を挙げ、11試合連続ヒットとなった。

 出場80試合の半分がマルチ安打で、驚異の246本ペースで折り返し。その数字にイチローは「ちょっと分かんない。過去のことが分かんないんで」と話した。メジャー8年目の昨季は年間213安打をマークしたが、マルチ安打は58度だった。複数安打数に、目標でもある9年連続200安打の記録を狙える手応えがあったはずだ。

 ここまでノーヒットはわずか7試合。「別に帳尻合わしてんじゃない、いつだって」と、後半へ特別な意識はない。開幕前に胃潰瘍で出遅れたが、そのハンディを「心技体」でカバーした。「あまり無理しない程度に。でも簡単なとこではないところに(目標を)設定をしてるんで。気持ち悪いはずはない」と明かした。

 試合数では7月5日のレッドソックス戦がシーズン半分の81試合目だった。そこですでに117安打。100本のは目安は、クリアしていた。もっとも、イチローが一番喜んだのは、チームの状況だった。「チームとして生きてる状態は久しぶりですからね。そこが懐かしい感じ」。マ軍はこの日の勝利で前半戦46勝42敗で貯金4。昨季は同時期に37勝58敗で、結局シーズン101敗を喫した。低迷にした過去数年にはない雰囲気が、ベンチにあるという。「勝敗よりも感覚だよね。(チームの)感じがなんとなくいいもんね」と目を細めた。

 12日には9年連続9度目出場のオールスターのユニホームが届いた。「デザインは見てないけど、サイズが合ってないよ。でかいよ~。いいかげんに分かってほしいよね、オレぐらい体形が変わらないやついないからね」と苦笑いも、2度目の球宴MVPを獲得すればメジャー最多タイ。充実した状態で、球宴の舞台に立つ。