ヤンキースの宿敵レッドソックスがFA申請した松井秀喜の獲得方針を決めたことが10日、分かった。レ軍関係者が「外野のレギュラー手形とともに複数年契約を用意している」と明かした。現在松坂大輔、斎藤隆、岡島秀樹、田沢純一の日本人メジャー4投手を擁する名門が、ゴジラ獲得に本腰を入れる。

 レ軍は来季の巻き返しへ大補強を画策している。レ軍関係者は「今年は残念な結果に終わった。なりふり構わない補強が必要」と話した。公式戦はア・リーグ東地区で2位に甘んじ、プレーオフは地区シリーズでエンゼルスに0勝3敗。エプスタインGMをはじめ球団首脳は補強の必要性を痛感し、その中心にいるのが松井のFA引き抜きだ。

 左翼は36本塁打、119打点でチーム2冠のベイがFAでの移籍が濃厚で、ぽっかり空いている。また指名打者オルティスは今季途中まで絶不調で、契約も来季限りで後任探しが急務だ。レ軍本拠地フェンウェイパークは左翼後方に「グリーンモンスター」がそびえ守備範囲が極端に狭く、守備の負担が少ない。今季は1度も守らなかった松井だが、レ軍はシーズン中の調査で「両ひざの状態も問題ない」と守備は可能と判断している。

 レ軍以外にも、松井に興味を示す球団は少なくない。他球団との交渉解禁前ということで、マリナーズのズレンシックGMは「FA選手に関するコメントはできない」と慎重だが、引退の可能性があるグリフィーの去就次第でDHが必要となる。エンゼルス、ホワイトソックス、また同じニューヨークに本拠を置くメッツが両ひざの状態を調査し、松井獲得に動く可能性がある。