打てば勝つ。オリックス竹原直隆外野手(35)が7回、代打逆転3ラン。前日24日は自滅のサヨナラ負けだったが、悪い流れを仕事人が断ち切った。ロッテから移籍後に放った8本塁打全てが勝利試合。まさにVを呼ぶアーチになった。

 オリックスが今季初の1イニング2発で日本ハムに逆転勝ちした。2点を追う7回2死から小谷野の3号ソロ。さらに2四球による一、二塁で、代打竹原が代わったばかりの宮西からバックスクリーン左へ逆転1号3ラン。左投手キラーが仕事人ぶりを発揮した。

 両手に残る感触が心地いい。「外野の頭を越えたと思ったけど、スタンドとは思わなかった。気持ちよかった。昨日は仕事ができなかったので、どうにかしたかった」。北の大地で存在感を発揮したヒーローは言葉に力込めた。前日24日は9回の同点機に三振など無安打に終わった悔しさがあった。今季の得点圏5打席目で出た初安打が決勝弾となった。

 1発打てば勝利を呼ぶ。11年5月にロッテから金銭トレードで加入。これで移籍後、本塁打を打った試合は8戦全勝となった。「そうなんですか? 意識してなかった。じゃあ、もっと打てばいいんですね」と笑顔で“量産”を誓った。

 今月21日は35歳の誕生日だった。その日の敵地ロッテ戦は延長12回、4時間51分の死闘。竹原は「延長になるわ(野手で)1人だけ試合に出ないわで散々だった。宿舎に帰ったら誕生日が終わってた」と苦笑い。4日遅れの祝砲となった。

 森脇監督も「言うまでもなく素晴らしいホームラン」と絶賛した。日本ハム戦の今季初勝利で連敗を阻止。故障者続出の中で、チャンスをつかもうとする選手の必死さが白星となって表れてきた。【大池和幸】

 ◆竹原直隆(たけはら・なおたか)1980年(昭55)4月21日、岡山県生まれ。関西-城西大-三菱自動車岡崎を経て、04年ドラフト4位でロッテ入り。長打力が魅力で05、06年と2年連続イースタン・リーグ本塁打王。11年4月に金銭トレードでのオリックス移籍が発表され、同5月に支配下登録された。183センチ、93キロ。左投げ右打ち。