阪神が来季組閣作業に本格着手した。金本監督は就任会見後、球団首脳と緊急編成会議を行った。関係者によれば、現時点で候補に浮上しているのは片岡篤史氏(46)矢野燿大氏(46)下柳剛氏(47)、さらに13年までコーチを務めた久慈照嘉氏(46)の名前も挙がっているという。また、現体制からは高代延博作戦兼内野守備走塁コーチ(61)がヘッド格となること、2軍から中村豊外野守備走塁コーチ(42)が昇格することが有力となっている。

 金本監督就任会見を終えて、球団は新政権を支える組閣に本格着手した。新監督は理想とするコーチ像として「情熱のあるコーチです。選手を育てる。『何が何でもこの選手を1人前にする』というコーチ。練習に付き合うコーチ。僕についてきてくれるコーチ。全て気持ちから入ると思います。そういう気持ちのないコーチは選ぶつもりはない」と語ったが、関係者によれば、その候補に浮上しているのが03、05年の優勝をともに経験した片岡氏、矢野氏、下柳氏だという。

 片岡氏は02年にFA移籍後、03年の優勝に貢献。引退後は12年の和田政権誕生と同時に打撃コーチに就任した。同年5位に終わった成績不振の責任を取って辞任したが、球団内部、選手からの信頼は厚く。近年は現場復帰を求める待望論が出ている。

 さらに矢野氏、下柳氏は同い年のアラフォー・トリオとして、03・05年、黄金時代の主力選手として、ともに幾多の修羅場をくぐってきた。また、13年まで内野守備走塁コーチを務めた久慈氏も浮上している。

 さらに今季までの体制からは平田ヘッドコーチと、90年代に広島で現役時代の金本監督を指導した高代作戦兼内野守備走塁コーチが入閣することが濃厚で、高代コーチがヘッド格となり、2軍から中村外野守備走塁コーチが昇格することが有力視されている。

 改革のためには新監督の考えを理解し、広く他球団の野球も経験している人物の他、結束を高めるために価値観を共有しているスタッフが欠かせない。浮上しているのは、いずれもその条件に合致する人物ばかり。今後は特に重要視されている投手部門のチーフを任せられる存在を中心に急ピッチで人選を行っていく方針だ。「結束して戦う集団」を目指す金本阪神にとって、重要な作業が始まった。