ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の新旧主力の豪華3ショットが実現した。27日、日本ハム大谷翔平投手(22)が自主トレを行う2軍施設のある千葉・鎌ケ谷に、レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(30)が訪れ、日本ハム中田翔内野手(27)と合同自主トレを行った。報道陣の前で3人が練習を行うのは初めて。約1時間のフリー打撃で、ダルビッシュが左投げ左打ちを披露するなど楽しみながら、来年3月のWBC前に貴重な時間を過ごした。

 3ショットは電撃的だった。大谷が自主トレの拠点とする千葉・鎌ケ谷へ、ダルビッシュが急きょ訪問。都内で一緒にトレーニングを行っていた中田も鎌ケ谷へ移動し、事情を明かした。「ダルさんが行こうって言うから」。予定外の“追加練習”で3人の空間ができあがった。

 一緒に汗を流したのは室内練習場でのフリー打撃だった。古巣を訪れたダルビッシュは、日本ハムのロゴ入り帽子をかぶり、左から繰り出す球を中田に打たせた。次に左打席に入り、中田が投じた球を打ち返した。そんな先輩たちの様子を、大谷はニコニコしながら見守った。

 フリー打撃で左投げを貫いたダルビッシュは、左打者の大谷への投球は死球を恐れてか回避。新旧背番号11の“対決”は実現しなかったが、大谷は別の打撃投手相手に快音を響かせた。ダルビッシュは「今日は遊びに来ただけなので。トレーニングではないので」と話したが、中田は2カ所でトレーニングを共にして「体バッキバキや」と苦笑いも、心地よさそうに汗を拭った。

 3人が初めて会したのは昨オフで、食事を共にした。以降、中田と大谷は「ダルビッシュ塾」の門下生として、ダルビッシュの帰国時に合同自主トレを行っている。今オフも複数回、トレーニングを行っており、体づくりなど多くを学んでいる。大谷は過去に「丁寧に答えていただけるのでありがたいです。もちろんためになる」と話しており、尊敬のまなざしを送っている。

 来年3月のWBCについては、中田と大谷は侍ジャパンのメンバー入りを果たしているが、ダルビッシュはレ軍が参加を認めておらず、不参加が濃厚だ。それでも2人にとって、09年第2回大会で連覇に貢献した先輩と過ごす時間が刺激となる。日本の主軸、中田は「(ダルビッシュの投球は)左だけどね」と笑いながらも「でもバットも今しっかり振っているので。良かったかなと思います」と、楽しみながら手応えもつかんだ。ダルビッシュの呼び掛けが、世界に挑む侍たちの戦う準備の手助けとなった様子だった。【保坂果那】

<過去の3ショット>

 ◆初対面 15年11月末、ダルビッシュと大谷が初対面。電話での会話はあったが、中田も同席した初の食事会で、ダルビッシュが同30日にツイッターを更新。「後輩達の面倒見がいいアピールです」とのコメント付きで、中田と大谷の2ショット写真を投稿した。

 ◆キャンプ地訪問 昨年2月12日、日本ハムの米アリゾナのキャンプ地をダルビッシュが訪問。公の場で大谷と初めてツーショットが実現。前夜には中田、大谷がチームメートとともにダルビッシュの家に招待され、敷地内にあるバスケットボールコートで汗を流し、食事も楽しんだ。