中日のドラフト2位、京田陽太内野手(23)が新人王へギアを上げた。第1打席でヤクルト・ブキャナンから右前にはじき返し、4試合連続の初回先頭安打。先制のホームを踏んだ。3度目の同一カード3連勝を導いた。

 文字通りの「切り込み隊長」に成長した。1番での先発は49試合目だが、初回の打率は4割7分9厘。完全に1番に定着した6月以降は5割9分3厘の量産ぶり。3回も先頭で左前打し、またホームイン。同点にされた直後の6回には1死一、三塁から二ゴロで決勝点をもぎ取った。

 ナイターでも午前中から球場入りし、体をケア。ビデオで自分のフォーム、相手の研究にも時間をかける。走・守の個人メニューもこなした上で毎日スタメンを張っている。「試合の入り方は悪くない。これから相手の攻め方も変わってくると思う。変わらずに初球からいけるようにしたい」と引き締めた。

 森監督は「初回に出塁してくれると投手も警戒する。もう1つ上を目指してもらわないと困るところもあるが、今日は初回に1点入ったし、こっちのペースではいけた」と、さらに高いレベルを求めながらも及第点を付けた。

 2安打で打率2割9分1厘と、約1カ月ぶりの打率3割復帰も見据える。15盗塁も1差で3位だ。現時点で新人王争いは6勝のDeNA浜口との勝負。「新人王は1人ですよね。浜口でしょう。後半もパパッと4勝くらいしますよ。僕は無理」と笑わせつつ「狙っていると言ったら言い方は悪いけど、意識しています」と目をギラつかせた。元気すぎる新人が中日を引っ張っている。【柏原誠】