3位DeNAが圧勝劇でラストスパートだ。敵地での中日戦で、初回7安打8点を奪い試合を決定づけた。試合前ミーティングでは、モチベーションビデオを見た。主将の筒香嘉智外野手(25)が「俺たちはファミリーだから」とゲキを飛ばし、猛攻につなげた。4位巨人と1・5ゲーム差に広げ、今日24日に始まる2位阪神との“5連戦”を、最高の形で迎える。

 燃えたぎる闘志の着火点は、早かった。1回。3番筒香の左翼線への適時打で先制点を奪うと止まらなくなった。打者一巡の7安打も8得点も、いずれも今季のイニング最多記録。わずか15分間で勝敗は決した。筒香は「ポンポンと初回に点を取れたことが大きかった」。そう振り返る主将は、この試合の火付け役でもあった。

 試合前のミーティングで、ラミレス監督に続いて言葉を発した。Aクラスに入り2年連続クライマックスシリーズ(CS)出場がかかる最終盤。重みがかかる1勝への執念を促し、呼びかけた。「俺たちはファミリーなんだから」。ラスト10試合を切るこの試合からを、ラミレス監督は「今季のヤマ場」と位置づけた。筒香は「監督がそう言っている。そこは間違いないし、みんな意識を持っている」と認識し、主将として自ら動いた。

 ミーティングでは、感情がわき上がるために製作された「モチベーションビデオ」が選手、スタッフらを奮い立たせていた。シーズン中、常に行動をともにしているチーム付きの金沢佑太カメラマンが録画した映像をもとに、専門業者が約5分に編集。今季を振り返りながら、モチベーションを上げる内容のもの。4日間試合があき、心身ともに充実させて迎えた試合の初回、猛攻へとつなげた。

 大量得点にも手を緩めず筒香は5回、ロペスの二塁打の間に一塁からホームまで一気に激走した。大量13得点で4位巨人と1・5ゲーム差。筒香は「今日勝つと負けるのでは、全然違う。選手個々が意識してできている」と、最高の形で今日から“阪神5連戦”。シーズンカウントダウンと同時に、DeNAの勢いはさらに増していく。【栗田成芳】