気心知れた日本ハム組が、稲葉ジャパンを支える。12日、「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(11月16~19日、東京ドーム)に出場する侍ジャパンメンバーが発表され、日本ハムからは近藤健介捕手、松本剛内野手(ともに24)堀瑞輝投手(19)が代表入りした。野手2人は、稲葉監督、金子誠ヘッドコーチとともにプレーした経験があり、首脳陣と選手のパイプ役として、貢献することが期待される。

 万全ではない中での選出が、高い期待を物語る。腰部椎間板ヘルニア手術からシーズン終盤に復帰したばかりの近藤が、11月に行われる「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(東京ドーム)の侍ジャパンメンバーに選ばれた。「光栄なことです。しっかりと自覚を持ってやらなければいけない」と、気を引き締めた。

 今季は6月まで打率4割をキープしていたが、腰痛で離脱。手術を受け、戦列に復帰したのは残り10試合を切った9月末だった。だが復帰後も安打を量産し、規定打席に達していないものの、4割1分3厘の高打率でシーズンを終えた。14年の21U(21歳以下)ワールドカップでは4番を打った経験もあり「打撃で選んでもらったと思っている。勝ちに貢献できる打撃がしたいです」と見据えた。

 3年前まで、日本ハムでともに戦った稲葉監督の初陣。前日11日には、札幌からの移動便が一緒になり、ジャパンについての話もしたという。「ずっと一緒にやらせてもらって、考えていることも理解できている。期待に応えられるようにしたいです」。ヘッドコーチにはチームの打撃コーチでもある金子誠氏もおり、首脳陣と選手との調整役としても期待がかかる。

 近藤と11年ドラフト同期で、今季プロ入り初の規定打席に到達した松本も選出された。「シーズン同様、つなぎの役割をしていきたい。コンちゃんは日本を代表する打者。少しでも見習いながらできれば」と話せば、近藤も「ゴウがつないでくれたら、その走者を帰したいです」。連覇を逃し、悔しいシーズンを過ごした2人だが、新生稲葉ジャパンの船出、そしてその先の20年東京五輪へ向けて、大事な戦いは残っている。【本間翼】