楽天銀次内野手(30)は、今も鮮明に覚えている。震災によって、変わり果てた故郷・岩手の姿を。今でもユーチューブなどで当時の映像を見返す。地元の普代村近くにある宮古市は、沿岸部で甚大な被害を受けていた。その姿は言葉にならなかった。「世の中が、どんどんあの日のことに対して意識が薄くなる気がして。それは、もっと怖い」。

 3年前から、宮古市で野球教室を始めた。「地元から野球選手が出ることが僕の夢。あの日を忘れないためにも。そして地元の選手が活躍すれば、みんなが活気づく」と考える。

 星野仙一さん(享年70)の活動から影響を受けた。「ずっと続けることに意味がある。影響力がある人がやることで、野球の輪が広がる。自分もさらに活躍して、いつかは星野さんの活動を引き継ぎたいって思っている」。支援を続ける野球人を目指す。