ソフトバンクが連日の逆転負けで、69年以来49年ぶりのオープン戦8連敗となった。デスパイネの3打席連続本塁打、松田、福田のソロと計5発が飛び出したが勝てなかった。オープン戦で5発を放って敗れたのは13年3月16日DeNA戦(横浜)以来5年ぶり。公式戦では03年6月7日の日本ハム戦(東京ドーム)までさかのぼる珍事だ。

 工藤監督は「勝てないけど、あそこ(7回)でリードしていれば出る投手が違うからね。心配はしていないけど」と自信を見せた。シーズンなら3点リードの7回から森、岩崎、サファテの勝利の方程式を送り込んだということ。負けたことは気にしていない。それよりも「いいチャンスなんだけど、何が何でもという気持ちが伝わってこないのは私だけですかね」と、開幕1軍の当落線上にいる飯田、加治屋の背信が気に入らなかった。

 7回から登板した飯田が3連打で無死満塁にして降板。代わった加治屋が2本の適時打を許し、4点を奪われ逆転された。工藤監督は「(2人は)負けているところで出て行くことが多くなる投手。生き残るという意識を持たないと。もっと貪欲に打たれたら終わりくらいで。恐る恐る投げている。伝わってくるものがない」と、期待しているからこそ強い口調で話した。

 ただ負けているわけではない。昨年の日本一メンバーと控えとの差が大き過ぎるため、連覇へ控えの底上げにも力を注いでいる。捕手は6回から育成の堀内に代わっていた。達川ヘッドコーチは「これはしょうがない。若い捕手を経験させるしかない」と話す。明日20日の中日戦からの5試合は本番モードにシフトする。この8連敗をムダにはしない。【石橋隆雄】