開幕巨人2戦目はオレだ! 阪神小野泰己投手(23)が22日、ウエスタン・リーグ広島戦(由宇)に先発し、5回を1安打無失点と好投した。31日巨人戦(東京ドーム)の先発候補に挙がる2年目右腕が、先陣を切ってアピールに成功。明日24日に1軍と2軍に分かれて同日先発し、1発勝負の選考試験を受ける能見篤史投手(38)と岩貞祐太投手(26)にプレッシャーを与えた。果たして三つどもえバトルの結末は?

 相手の4番、昨季11本塁打のバティスタも手が出なかった。初回に訪れた対戦で、フルカウントから胸元に切れ込むスライダーで見逃し三振。小野は昨季のセ・リーグ本塁打王、“仮想ゲレーロ“ともいえる存在を難なくぶった切った。

 巨人との開幕2戦目の先発を引き寄せるべく、背番号28が甲子園から遠く離れた山口・由宇で「執念」をみせた。その後もテンポいい投球で凡打の山を築き、5回をゼロに抑えた。「次投げるとしたらシーズンに入ってからになると思う。何試合目でも任された試合で投げる気持ちで調整していきたい」。G倒へ、心身とも準備万端だ。

 最速149キロの直球に変化球を交え、緩急のある投球で5回を1安打無失点。三塁を踏ませない投球に、矢野2軍監督も納得の表情だ。「バッターを押し込めるのは小野の良いとこ。上のローテーションでいってもいけるんちゃうかなと思えるような投球やった」。

 開幕2戦目の先発権は小野、能見、岩貞の3人が、本番まで残り1試合で争っている。能見は24日1軍オリックス戦、岩貞は2軍中日戦に同日登板を予定。その2人にプレッシャーを与える快投で、首脳陣の判断を待つことになった。

 香田投手コーチは開幕2戦目の先発起用に「能見も岩貞も小野も、状態をよく見極めて。理想は間に左を挟めれば、というのはあるけど、状態がいい人。開幕カードを勝ち越すことを考えて、最善の起用をする」と明言。開幕メッセンジャーで3戦目が秋山のため、小野が入ると右3枚になるが、「状態がいい人」は存分にアピールした。

 登板予定だった20日のDeNA戦(横浜)は雨で中止。2日飛ばしの登板でコンディション調整は難しかったはずだ。だがこの日も無失点で抑え、キャンプからの実戦連続無失点イニングを「26」に延ばした。「毎試合0点に抑えるのは、シーズンが始まっても変わらず続けたい」。G倒準備を整え、能見と岩貞の結果を待つ。【古財稜明】