貯金30で優勝を目指すぞ! 阪神金本知憲監督(49)が22日、優勝ラインを貯金30に設定した。月間の貯金数も4~5個を理想とし、昨季の月間3個と合計18から上方修正した。16年と17年は広島が貯金37でぶっちぎりの優勝。1985年(昭60)以降、貯金30でV逸したセ・リーグチームはない高い目標だが、30は3連覇を目指す広島と互角に渡り合うラインでもあるようだ。明確な数字を旗印に13年ぶりのリーグ制覇を目指す。

 3年目の金本阪神が目指す“標高”はズバリ、貯金30だ。長丁場の143試合を1週間後に控え、金本監督が「優勝ライン」の星勘定をはじき出した。「増やしていきたいよ、もちろん。できることなら貯金していきたいでしょう?」と話しつつ、リーグ制覇に必要な貯金数を問われると「(シーズン貯金は)30前後だろうね」と言い切った。

 頂点を目指す道のりは高く険しい。一気に駆け上がろうとすれば息切れする。アルピニストが山小屋、ベースキャンプを区切りながら頂上へアタックするように金本監督も言う。「去年もそうですけど、3連戦の2つ勝ち越しと、週の勝ち越しと、月でどれくらい勝ち越すか単位で僕は考えている」。就任2年目の昨季はVプランとして、月間3個の貯金を設定。「目標は3×6=18よ」と言い、ほぼ同数の貯金17を積み上げたが2位に終わった。

 頂上は、まだ視線の上にあった。広島が力で圧倒して貯金37個の2連覇。16年も同数で優勝している。だからこそ、指揮官は昨季以上に高いハードルを課す。今季も月間貯金3でOKかと問われると「ないな。最低3、というだけ」と言い切り、貯金4、5個が理想なのかと畳み掛けられると「いければ、いいけどなあ」と青写真を描いた。

 今季は不動の4番に新外国人ロサリオを据え、待望の大黒柱ができた。「過去3年間のなかのチームでは、一番強い」と話すなど、手応えもある。19日も「優勝しか考えていない。そこだけ見ていたい」と言い切っていた。過去10年のセ・リーグ優勝チームの平均貯金数は28・3個。月間貯金5個×6カ月で貯金30なら、データ的には優勝確率は100%と言える。登るべき「Vロード」は明確だ。

 もちろん、いばらの道だろう。投手事情が苦しい球団も多いが、着々と陣容を整えてくる。「今年は打ち合いになるんかな」と予測する。まずは登山口で待ち構える巨人と向き合う。大リーグ・カブスから古巣復帰した上原が加わり、救援陣は分厚くなる。金本監督も「カミネロにマシソンか。カミネロもだいぶまとまってきたもんな」と警戒した。30日の開幕巨人戦。貯金1から、壮大なVアタックが始まる。

 ◆貯金「30」とは セ・リーグで貯金30以上で優勝したチームは、2連覇中の広島など過去30回ある。逆に、30以上の貯金をしながら優勝できなかったケースは、2リーグ分立直後の50年中日(貯金45)、52年阪神(同39)、名古屋(同32)、54年巨人(同35)の4例があるのみ。85年以降でみると、優勝チームの平均貯金数は27・5で、貯金30以上を達成した16回はすべて優勝している。Vを目指すなら目標とすべき数字といえる。