確信して打球の行方を見届けた。ヤクルトのバレンティンが3点リードの8回にリーグ一番乗りの20号ソロ。スライダーを振り切ってのバックスクリーン直撃弾に「カンペキでした。ミスショットしないように、いい球がきたら思い切っていこうと。チームが勝利に近づけたホームランだったと思う」と終盤での貴重な追加点を喜んだ。

 主導権も引き寄せたのも、この男だった。1回にチーム10戦ぶりの先制となる左前適時打。立ち上がりの絶好機で内角低めのスライダーをためて捉えた。「(先制は)投手を助けることになる」とうなずいた。

 勝利に貢献する-。その姿勢は走塁にも表れた。先制打後に三塁まで進むと川端の左翼への飛球でタッチアップ。全力疾走で滑り込み、左手でこの回3点目をかすめ取った。「勝つためには得点が必要。一生懸命走った」と胸を張ったが、冷静に観察してスタートを切った。「(左翼手の筒香が)左に動きながら捕球した。自分もレフトなので、そこから立て直して送球するのは難しい。行けると思った」と明かした。

 来日8年目で7度目の20号。リーグ単独トップに立ったが「個人の成績より、もっと重要なのはチームが勝つこと」と引き締めた。普段は陽気な助っ人が繰り返した4番として自覚。そのバットでチームを押し上げていく。【佐竹実】

 ▼バレンティンが8回に本塁打を放ち、11、12年に次いで自身3度目のリーグ20号一番乗り。シーズン20本塁打はこれで3年連続7度目となり、ヤクルトで7度はラミレスと並ぶ球団最多タイ。