7連勝中と好調ヤクルトの勢いを食い止めたのは阪神藤川だった。同点の7回から登板し、タイトゲームの勝ち運を引き寄せた。2番青木からの好打順。遊直に仕留めると、脅威のスラッガーとの対戦が続いた。山田哲には1-1からの3球目。150キロ外角速球で空振りを奪うと、フォークも交えた。最後は外角高めの147キロで空振り三振。7月の月間打率4割超で7本塁打を量産していた絶好調男を「火の玉ストレート」で抑え切った。

 奪三振ショーは続く。4番バレンティンも7月は6本塁打とバットが光る。しかし、ホップする速球で押した。追い込むと最後は沈むフォークを外角低めへ。2者連続の空振り三振で3者凡退だ。2イニング目の8回は2死一、三塁の同点機を招くが、代打川端のライナーを遊撃北條が好捕。藤川も「最後は自分の負けですけどね。いい反省をして、またあさってです」と苦笑いした。

 それでも、修羅場に耐える粘投は光った。金本監督も「ちょっと(ヤクルト)星に抑えられた。こっちは球児と桑原で流れをちょっと抑えてくれたと感じた。30球くらいでバテよるけどな」と冗談も交えた。不調の桑原も6回を3者凡退。最近は救援陣の必勝継投を敷けず、前日28日、指揮官は「ちょっと(勝ち)パターンを作れていない」と話していたが、懸念を振り払うリレー。藤川の今季2勝目は、方程式の答えになりそうだ。【酒井俊作】