ゼロ街道を走り続ける。デビューから3戦にわたり20イニング連続無失点中の巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(24)が30日、川崎市のジャイアンツ球場で投手練習に参加。先発予定の8月2日DeNA戦(横浜)へ向けて調整した。デビューからの連続イニング無失点記録は63年阪神中井の31回。1発の出やすい敵地でも持ち味を発揮し、記録に迫りたい。

 ドミニカ共和国出身のメルセデスは「ヤバイ、アツイ」と暑さに嘆きながらも、記録には冷静だった。「ゼロをスコアボードに並べることは僕の仕事の1つ。意識はせず、マウンドに上がる以上は当然のように無失点を続けたい」。デビューから3戦にわたり20イニング連続無失点を継続中。好調の理由を「企業秘密だよ(笑い)」と、けむに巻くほどの余裕が頼もしい。

 登板予定の横浜スタジアムは1発に要警戒だ。両翼94メートル、中堅118メートル。今季の1試合平均本塁打数は2・52発でリーグ1位。1試合平均の得点数も9・1点でリーグ3位と投手不利の数字が並ぶ。リーグトップの108本塁打のDeNA打線が余計に脅威に映る。

 その中心に座るのが、チームトップの22本を放つ筒香だ。チームが5月20日の対戦で1試合3発を許した強打者だが、9日に支配下登録された左腕は「名前は知っているけど、どんな打者か分からない」と“無知の利”を生かし、果敢に攻める構えだ。

 上原、マシソンが抹消された苦しい投手事情も理解する。「2人の離脱は大きいこと。それでも、ブルペンにはまだいい投手がたくさんいる。僕は与えられた仕事をするだけだよ」。快投を続ける左腕はただ目の前の打者に集中し、勝利をつかみとる。【桑原幹久】