悩める大砲が落合流で覚醒!? 阪神ウィリン・ロサリオ内野手(29)が復調に懸命だ。3日は京セラドーム大阪でのフリー打撃後、長いノックバットを持って三塁側ベンチ前へ。自らトスを上げ、体を大きく使って振り込んだ。34スイングで柵越えも連発。珍しい「ノック打ち」を見守った金本監督も感心した。

 「キッカケは何だっていい。こちらはしっかりチャンスで打ってくれたら何でもいい(笑い)。良くなる人もいるよ。間が取れて、いい感じで前で打つから。長いノックバットをあんな急にうまくね。球を打つセンスがあるんだろうね」

 ノック打ちはロッテ、中日などで活躍し、通算510本塁打の落合博満氏が現役時に行った打撃の修正法だ。トップ位置が決まり、打つポイントの確認にもなる。片岡ヘッド兼打撃コーチらが付き添うなか実践。「ひとつの練習ドリル。自分の打撃をつかんでいくために、必要だと思って取り組んだ」と話した。なりふり構わず不振脱出を図る。

 7月中旬の1軍復帰直後の21日DeNA戦こそ2打席連続本塁打を放ったが、いまも課題の右投手に手を焼く。8月1日中日戦でも3回、1点差に迫り、無死二、三塁で松坂の高めカットボールを打ち損じて二飛。同点犠飛すら打てず、金本監督も「(最低1点は)もちろん、誰もが…」と絶句した。この日はナバーロとともに一塁でノックを受けた。指揮官は「ロサリオがダメだった場合は、もちろん(ナバーロの一塁起用も)ある」とも説明。いまや、勝負の8月に入り、R砲の復調を待つ時間的な猶予はそう長くないだろう。

 金本監督は「ロサリオと糸井と、この2人が常時、レギュラーでやってくれないことには、打線の上昇はなかなか見込めない」と期待を込める。この日は短く散髪し、明るい表情も見せた。今度こそ、長距離砲は目覚めるか。【酒井俊作】