広島は9回2死から同点に追い付かれ、延長12回の末、今季2度目の引き分けに終わった。阪神が勝利し、マジック点灯は持ち越しとなったが、2位巨人とのゲーム差は12・5のまま。今日12日にも、優勝マジック33がともる。

 勝利まであと1球とした9回2死。守護神中崎が陽を追い込みながら、4球目の外角球は右翼方向へ高く上がり、広島ファンで埋まる右翼ポール際最前列に吸い込まれた。大瀬良の勝ち星とチームの7連勝を消し、肩を落とした。

 今季10度目の延長戦は毎回走者を出しながら、あと1本が出なかった。広島中継ぎ陣も走者を出しながら踏ん張った。緒方監督は「今の時期、今の位置づけとして負けなかったことは非常に大きい」と結果を受け入れた。

 緒方監督が常々口にする「守り勝つ野球」の守備では見せた。2回は岡本の右中間深くへのライナー性の打球を追った右翼鈴木がジャンピングキャッチ。3回は中堅丸が前進守備から真後ろの飛球に背走してグラブを伸ばした。延長10回も、右翼前にフラフラと上がった飛球を二塁菊池が好捕。最後まで貫いた広島野球で連勝の勢いを次戦につなげた。【前原淳】