広島大瀬良大地投手(27)が7回2死まで無安打無失点投球の好投を見せた。今季3度目の対戦となった巨人のエース菅野と投げ合いを演じ、2回の打席では先制スクイズを決めた。マジック点灯はまたもお預けとなったが、攻守でチームをけん引した。

 肩を落としながら降板する守護神を大瀬良はベンチ前に出て優しく迎えた。7回2死に無安打無失点が途切れる初安打を許しても、気持ちを切り替えた。8回に失点し降板しても、ベンチに戻って声を張り上げた。自身の13個目の勝ち星が消えても気丈に振る舞った。

 4月29日阪神戦(マツダスタジアム)以来のバッテリーとなった磯村との呼吸も合った。「今日は立ち上がりから自分の投球が出来ました。イソ(磯村)もいいリードで引っ張ってくれました」。2者連続三振で滑り出すと、4回まで毎回三振。大記録の期待は7回についえたが、巨人打線を圧倒した。

 今季4度目の対戦となった巨人には坂本勇も長野もいない。顔ぶれが違う上位打線でも頭には、今季初対戦のマルティネスや重信らを打ち取るイメージができていた。今季から試合前のブルペンで投じる20球は、対戦相手の4番までを想定し捕手のサインから投じるようにした。試合にスムーズに入れるようになり、6月22日阪神戦から7試合連続で1回3者凡退の立ち上がりにつながっている。

 巨人菅野との投げ合いは今季3度目。7月6日(東京ドーム)は5回までは無失点にしのぐも、6回に2点を失った。8回無失点の菅野の姿が鮮明に残る。「ああいう試合(投手戦)を勝てる投手こそ、信頼されて“エース”と呼ばれる立場になっていくんだろうなと感じた」。同21日の対戦では勝ち投手となったものの6回途中4失点。“投げ勝った”感覚はなかった。

 菅野よりも長くマウンドにいたが「8回に結果的に失点してしまって、回の途中でマウンドを降りることになってしまったので、そこはしっかりと反省して次の登板に生かして行きたいです」と反省を忘れなかった。【前原淳】