今季2度目の先発マウンドでソフトバンク松本裕がうれしい1勝を手にした。自力V消滅の可能性もあった一戦で4年目右腕が好投した。

 「ストライクをどんどん取っていこうと思った。初回から腕が振れていたので良かった」。初回、アルシアに先制ソロを被弾したが、2回以降は多彩な変化球と最速149キロの直球で押した。6回2死一、三塁から鶴岡の適時打と押し出しで2失点。五十嵐の救援を仰いだが、打線の爆発もあり昨年6月29日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)以来の白星をゲットした。

 これまで封印していた「フォークボール」を有効に使った。「いい落ち方だったし、使わない手はない」と女房役の甲斐は立ち上がりから要求。前回のオリックス戦では投げなかった「武器」でハム打線を迷わせた。初回先頭の近藤はカウント0-2からフォークで空振り三振に切った。全122球のうち17球。4回を除くすべてのイニングで効果的に使った。

 チームは厳しい戦いが続く。腰痛など今季は開幕から出遅れた松本裕だが、正念場の夏に活躍を誓う。「これからどんどん(白星を)積み重ねていきたい」。1学年上の大竹の存在も刺激だ。苦しい先発陣に若き力が台頭した。【佐竹英治】