絶対に負けられない2位と3位の直接対決。巨人岡本和真内野手(22)が13日、セ・リーグ全本拠地での1発を誓った。今季106試合に出場しリーグ5位の21本塁打をマークしているが、今日14日から対戦するヤクルトの本拠地・神宮球場では本塁打ゼロと苦戦中だ。広島の本拠地マツダスタジアムでの13連敗を1年ぶりに止めたチームの勢いに乗り、4番が苦手を克服。勝利につながるアーチをかける。

 岡本が“魔物”を振り払う。「神宮に苦手意識はない。どの球場も好きですよ」。周囲の心配は杞憂(きゆう)に終わらせる。表情をピクリともさせず、淡々と言葉を発した。今季21本のアーチを描いたが、ヤクルトの本拠地ではいまだ0本。打率2割3分8厘、打点1と相性は良くないが、巨人の4番として強気の姿勢を崩さない。「(神宮で本塁打を)打てるように頑張りたいです」。セ・リーグの全本拠地でのアーチへ、期待にバットで応える。

 負けられない試合が続く。首位広島には11・5差と離されたが、3位ヤクルトとは0・5差、4位阪神とは1ゲーム差と混戦状態が続く。チームは12球団最速で試合を消化し、一方でヤクルトは8試合、阪神は11試合も消化が少ない。「ヤクルトとのゲーム差が近い。残り試合を考えると今のうちに勝っておきたい。勝つための一打を放てるようにしたい」。岡本もこの3連戦の重要性を理解しているからこそ、敵地で放つ1発の価値も高まる。

 チームは12日にマツダスタジアムでの連敗を13で止めた。“マツダの呪縛”から解き放たれた波に乗り、岡本が夏の神宮の夜空にでっかい花火を打ち上げる。【桑原幹久】