今日こそ「M」点灯じゃあ~! 広島は、阪神に引き分け以上で優勝マジック点灯だったものの、逆転負け。6度目の点灯チャンスもお預けとなった。

 8回に今村が打たれて悔しい逆転負け。それでも、打線は粘っこく攻めた。中でもベテラン松山竜平外野手(32)が2安打3打点と光った。3回まで左腕岩貞の前に走者を1人も出せずに迎えた4回。2死走者なしから丸の二塁打と鈴木の四球で一、二塁のチャンス。松山は初球を待っていた。「積極的にいきました。大振りせず、コンパクトスイングできた」。内角高め136キロ直球を、左前にライナーで先制打とした。試合前まで得点圏打率は3割4厘。いつもの勝負強さを生かした。

 パンチ力も発揮した。1-3と逆転された6回1死一塁で、3年連続2桁となる10号同点2ランを右翼席前列にたたきこんだ。今度も初球。真ん中に入ってきたスライダーだった。試合前の時点で対左投手は2割4分3厘。「最近、左を相手に試合に出ていない。絶対に結果を出してやろうと思った」と燃えた。たっぷりの危機感は選手層の厚さの裏返しでもある。

 マジック点灯は逃したが、8回に野間が一時勝ち越し内野安打を放つなど「らしさ」はみせた。緒方監督は「負けは自分の采配が悪い。選手はいいゲームをしてくれた」。この野球を続ければ、頂点がおのずと近づいてくる。【大池和幸】