意地のマジック点灯阻止だ。阪神糸井嘉男外野手(37)が適時打2本など今季初の4安打。首位広島戦を前に「負けられない。勝つしかない」と燃えていた4番が、有言実行で打線を引っ張った。3番福留の押し出し四球で勝ち越した直後の8回2死満塁。糸井が中前に力で押し込んで、2点適時打。「みんなつないでくれてたんで、なんとかかえしたいなと思って、かえせてよかったです」。金本監督も「福留と一緒で暑い時期にやってくれますし。2人が打ってくれると(打線が)機能します」と認めるほどの相乗効果だ。

 8回に4点を奪っての逆転勝利。金本監督は「広島相手に、広島にいつもやられている勝ち方というか。マジックが点灯したら、現実として受け止めないといけないけど、だから頑張るのは違うと思う」とマジック点灯を阻んだ勝利をかみしめた。昨季は目の前で胴上げを見せつけられた。だから、糸井はお立ち台で叫んだ。「僕らはもう、負けられないんで。絶対勝つという気持ちで、明日からも戦っていきます。応援よろしくお願いします!」。今日15日も引き分け以下で広島のマジックが点灯する。厳しい戦いが続くが、まだまだセ界の灯は消さない。【真柴健】