今日こそ「M」点灯じゃあ~! 首位広島は、阪神に引き分け以上で優勝マジック点灯だったが逆転負けを喫した。

 6度目の点灯チャンスもお預け。それでも松山竜平外野手(32)が6回に3年連続2桁本塁打となる10号同点2ラン、8回は野間峻祥外野手(25)が勝ち越しの内野安打など一時は逆転に成功した。2連敗も、首位独走は変わらず。今日15日の阪神戦も引き分け以上でマジックが点灯する。

 8回に今村が打たれて悔しい逆転負けを喫したが、打線は粘っこく攻めた。中でもベテラン松山が2安打3打点と、光る活躍だった。3回まで左腕岩貞の前に走者を1人も出せずに迎えた4回。2死走者なしから丸の二塁打と鈴木の四球で一、二塁のチャンス。松山は初球を待っていた。

 「積極的にいきました。大振りせずに、コンパクトスイングできた」。内角高め136キロ直球を、詰まりながらも左前にライナーで先制打を運んだ。試合前まで得点圏に走者を置いての打率は3割4厘。そんな勝負強さを生かした。

 巧みなバットコントロールに続き、パンチ力も発揮。1-3と逆転された6回1死一塁で、10号同点2ランを右翼席前列にたたきこんだ。今度も初球。真ん中に入ってきたスライダーだった。「甘い球はどんどん振っていこうと思っていた。いい結果になって良かった。点を取られた後だったので、何とかしたいと燃えました」。3年連続2桁本塁打に到達した。

 燃える要素があった。「最近、左を相手に試合に出ていない。絶対に結果を出してやろうと思った」。対左投手は試合前の時点で2割4分3厘。相手先発が左の場合はスタメンを外れることもあった。ここまで規定打席に到達して打率3割以上をマークしているが、危機感はたっぷり。選手層の厚さの裏返しでもある。

 同点の8回には1死満塁から野間が、投手前に転がる執念の内野安打。「前に飛ばそうと食らいついていった」という一打で勝ち越したが、その裏には失策が引き金となって逆転を許した。今季100戦目での60勝到達はならず、マジック点灯もお預け。それでも緒方監督は「負けは自分の采配が悪い。選手はしっかりとした、いいゲームをしてくれた」と奮闘を評価。カープらしい野球をすれば、頂点がおのずと近づいてくるはずだ。【大池和幸】