日本ハム渡辺の勝負をかけたフルスイングが、最高の結果を生んだ。1点差に迫られた直後の7回2死無走者。2ボールとなり、ヤマを張った。「割り切って、真っすぐ一本に絞っていきました」。直球でストライクを取りに来るとにらみ、読み通りだった144キロをとらえた。「打った瞬間でしたね」。会心の一振りで勝利をたぐり寄せた。

 前日14日の試合前練習中に外野で栗山監督に呼び止められた。「もっと思いきり行け。こっちが使っているから、こっちに責任があるから」と、熱いゲキを飛ばされていた。

 試合前まで打率は、ちょうど1割。7月20日ソフトバンク戦で1試合2発を放ってからは、変化球攻めに苦慮。悩んでいたが、打てないモヤモヤは指揮官の言葉で全てが吹っ飛んだ。「楽な気持ちで打席に立てるようになった」。気持ちも新たに、自信を取り戻した5年目のドラ1は「まだまだ勝って、勝って、勝って、勝ちまくりたいです」と、頼もしかった。