日本ハム村田が、先輩の意地を見せた。母校・大体大の後輩、ロッテ酒居との先発対決を制した。7回途中1失点で5勝目。「とりあえず、先輩が勝てたので。後輩に負けなくて良かった。とりあえずは」と、笑みを浮かべた。

 マウンド上では後輩を気にする余裕はなかった。「全然、それどころじゃなかった。感じとしては、そこまで良くなかったので」という中で、威力のあった、動く直球を軸に凡打の山を築いた。「ツルさん(鶴岡)が、いいリードをしてくれた。信じて投げました」。6回までは、わずか2安打に抑えて無失点。堂々の好投だった。

 反省したのは降板した7回、先頭の中村への四球だ。前回登板の8日楽天戦でも6回の先頭打者への四球をきっかけに降板。「一番、やってはいけないこと。行った限りは(イニングの)最後まで投げないと。まだまだ(前回を)反省しきれていない」と、自らを戒めた。

 自身の2戦連続白星は初めて。チームへの貢献度も、どんどん増している。「自分のことより、チームが勝てたことがうれしい。優勝したい。そのために、ちょっとでも貢献していきたい」。先輩のプライドを守り、チームの連敗を止めた熱投は、ちょっとどころではない大きな仕事ぶりだった。【木下大輔】