西武外崎修汰内野手(25)が「第4の捕手」に指名された。捕手3人制を敷くが、代打などで控え捕手を使い切った後、アクシデントで捕手がいなくなる万一のケースに備える。2位日本ハムとは6・5ゲーム差。最短で24日に優勝マジック25か24が点灯するが、今後は総力戦で勝ちにいく試合も増える。チーム屈指のユーティリティープレーヤーの本領を発揮する。

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 外崎が有事に備える。発端は18日の日本ハム戦だ。スタメンの岡田が6回に代打を送られ、代わってマスクをかぶった炭谷も8回に代打。9回の守りは、DHを解除して森が捕手に就くしかなかった。幸い、無事に終わったが、もし森が負傷退場しても、もう捕手は残っていなかった。秋元バッテリーコーチも「リスクはあった」と認める総力戦で逆転勝ちしたが、シーズン最終盤、さらにポストシーズンで、同様のケースが増える可能性はある。

 同コーチは「誰か捕手にスカウトしたい」と早速、動いた。「内野手は速い打球を受け慣れている」ことから、白羽の矢が立ったのが外崎だ。突然のオファーにも「言われたら、やります」と腹を決めた。小学校で野球を始めた時は投手兼内野手だったが、中2の終わりに強肩を買われ1年だけ捕手をやった経験がある。もっとも、少年野球とプロではレベルが違いすぎる。「サインも出せないし、ワンバウンドも捕れないです」と苦笑いを浮かべた。

 それでも、内野手登録ながら外野で出続ける万能性は強みだ。試合中に外野から内野に代わることも少なくない。「内外野で準備は違うけど、頭で想定しながらやっています」という経験が捕手にも生かされるはず。「第4の捕手」について、辻監督は「最後の賭け」と強調。10年ぶり優勝のためにも、あらゆる事態に備える。【古川真弥】