左手小指骨折で戦線離脱していた日本ハム大田泰示外野手(28)が、今日21日のイースタン・リーグ西武戦(西武第2)で実戦復帰することが20日、分かった。患部の状態、実戦勘などに問題がなければ、今週中にも1軍復帰することが濃厚。今季、恐怖の2番打者として大ブレークした右の大砲が、逆転優勝へ負けられない試合が続くチームの救世主となる。

 待ち焦がれた「恐怖の2番打者」の1軍復帰が、秒読み段階に入った。大田が今日21日に2軍戦で実戦復帰する。出場イニング数などの制限もない状態で、約6週間ぶりの試合に臨む見通しだ。故障していた左手小指の状態に問題がなければ、すぐに再昇格という流れになりそう。8月に入って6勝9敗1分けと急失速しているチームを立て直し、首位西武を追走するための起爆剤として期待される。

 リハビリは慎重に行ってきた。7月8日ロッテ戦で左手に死球を受け、左手第5中手骨骨折を負った。実戦復帰まで約3~4週間の見通しだったが、8月から再開した打撃練習で患部の痛みが再発。ペースダウンを余儀なくされ、本格的にフリー打撃を再開したのが14日。以降は2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で打ち込みを続けて、ようやく試合出場のメドが立った。

 今季は高いポテンシャルを本格開花させ、チームをけん引してきた。4月24日オリックス戦(札幌ドーム)から打順を2番に固定され、超攻撃的打線の中核として大ブレーク。打率2割7分2厘、13本塁打、47打点をマークしている。右翼守備でも積極果敢な姿勢で好プレーを連発。何より、明るいキャラクターは、ムードメーカーとして貴重な存在感があった。そんな大田の力を、チームは今こそ必要としている。

 現状は首位西武に今季最大となる6・5ゲーム差と離され、2年ぶりのリーグ制覇へ勝負どころを迎えている。この日、東京から静岡入りした栗山監督も「行ける選手は行く」と、総力を結集して西武に食らいつく構え。大田は2軍休日のこの日、体を休め、実戦復帰へ備えた。骨折が判明した直後も指揮官に「行けます」と直訴した熱いファイターが、逆転優勝への起爆剤となり、切り札となる。