阪神藤浪晋太郎投手(24)が、母校大阪桐蔭の決勝進出に勇気をもらった。不振で2軍調整中だが、後輩ナインの奮闘はしっかりチェック。目指す1軍再昇格へ、決意を新たにした。今日21日はウエスタン・リーグ広島戦(倉敷)に先発予定。甲子園の決勝より90分早い午後0時30分開始のゲームで、まずは12年春夏連覇の先輩が快投し、母校2度目の春夏連覇に弾みをつける意気込みだ。

 藤浪が大阪桐蔭の決勝進出を心から喜んだ。「本当に桐蔭からは毎年刺激をもらっています。後輩たちも頑張ってくれているので自分もしっかり頑張りたいです」。卒業から5年。後輩たちがまとう「TOIN」のユニホーム、甲子園での進撃を見ると勇気が出る。

 自身は不振で2軍調整中。今日21日はウエスタン・リーグ広島戦に先発する。「自分の課題に取り組みたい。それをしっかりやりたい。2軍戦なので、やるべきことをしっかりやる」。倉敷でのデーゲームは、約180キロ先の甲子園の決勝より1時間30分分早い午後0時30分開始。まずは12年の甲子園で春夏連覇した先輩が快投し、母校2度目の春夏連覇に弾みをつける意気込みだ。

 この日は2軍ナインら35人と西日本豪雨災害のあった岡山・倉敷市真備町を訪問。二万(にま)小学校で避難生活を送る約120人の子どもたちと交流した。先発前日だったが、少年たちの打撃投手を務めたり、サインを書いたりと精力的に触れ合った。

 「(避難生活は)すごい衝撃的でした。その中で大阪よりも暑いですし、すごい大変な思いをされている。応援してくれている方も、すごい笑顔で握手をさせてくださる方が多かった。ちょっとでも(子どもたちが)笑顔になれる手伝いができたのかなと思います」。充実の時間を過ごし、心も新たにした。矢野2軍監督も「ここに来て肌で感じないと、わからないこともある。晋太郎も野球を楽しむという原点に戻れて、練習するよりもよっぽどいいかもしれない。プロになると忘れてしまうこともある。意味のある1日だった」と思いをはせた。

 可能な限り早く、もう1度1軍に戻る。そして必ず、上位浮上の力になる。被災しながら岡山から応援してくれる方々への感謝、そして大阪桐蔭へのエールを込めて、倉敷のマウンドに立つ。【真柴健】