阪神が19日のヤクルト16回戦(神宮)で起きた危険球を巡る判定で、NPB(日本野球機構)への意見書提出を検討していることが20日、分かった。3回に岩田が青木に投じた頭部付近への投球が、リクエストによるリプレー検証の対象外として危険球退場と判定された。チームはここから暗転して、中継ぎ陣が失点を重ねて、痛い1敗を喫した。

 一夜明け、谷本球団副社長兼球団本部長は「リクエストの対象外というのがおかしいのではないか。まず(打者に)当たったか、当たっていないのかが対象ということ」と説明。前夜、土山球審は青木のヘルメットに触れたとして危険球退場を宣告し、三塁側ベンチから出た金本監督に危険球はリクエストの対象外と説明を行っていた。

 NPBによるアグリーメントには「基本として、審判員の判断に基づく判定は対象外」と明文化。だが「判断」の線引きが明確ではないため、現場に混乱も生じている。7月18日のロッテ-楽天戦では、楽天今江の頭部付近への投球でロッテ益田が危険球退場。柳田球審は「(ロッテ井口監督から)リクエストがなかったので納得されたということ」と説明し、リクエスト対象をほのめかしていた。

 この日、金本監督は釈然としない表情で「当たったら(青木も)うわっとか言うだろう。何のためのビデオ判定なのか。死球は(リクエストが)あるのにな。それを(ビデオで)見てくれと言った」と話した。危険球はリクエストの対象外だが、死球かどうかはリクエストの対象ではないのか…。阪神は6月29日ヤクルト戦(神宮)で走者の走路を巡るリクエストが認められず、意見書を提出。NPB側は判定ミスと回答していた。またもルール運用の盲点が浮き彫りになった。