巨人西村健太朗投手(33)が今季限りで現役を引退することが2日、分かった。近日中にも会見が行われる。

通算470試合登板も、今季はプロ入り後初めて1軍登板がなかった。「プロに入って15年間、ジャイアンツのユニホームを着てプレーできたことは誇りに思う」と胸を張り、マウンドに別れを告げた。

03年ドラフト2巡目で入団。先発、リリーフをともにこなした。12年から守護神を任され、7回のマシソン、8回の山口鉄とともに勝ちパターンの「スコット鉄太朗」を形成。鋭いシュートを武器に、13年には42セーブで最多セーブを獲得。原前監督の下で6度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献した。

だが、近年はけがに悩まされた。09年以来2度目の右肘手術をした15年は1試合の登板のみ。昨季は45試合に登板したが、今季は2軍暮らしが続いた。

7月の2軍戦で右肩を脱臼。「経験のないケガなので、今の回復具合がいいのか悪いのか分からない」と懸命なリハビリを続けたが、復帰のめどは立たなかった。

まじめな性格で、多くの後輩に慕われた。この日もジャイアンツ球場に姿を現し、ランニングやストレッチなどで汗を流した。「ケガがあったので仕方ない。もっとやりたかったという思いは当然、あります。でも自分にとってジャイアンツでの時間は夢のような時間でした」。実直に野球と向き合い続けた15年間に、自らピリオドを打った。

◆西村健太朗(にしむら・けんたろう)1985年(昭60)5月10日、広島県生まれ。広陵では2年春から4季連続甲子園出場し、3年春のセンバツは優勝。03年ドラフト2巡目で巨人入団。07年から中継ぎとして活躍し、12年から抑えに転向。13年には球団新記録となる42セーブを挙げタイトルを獲得。184センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸8600万円。