広島から国内FA宣言した丸佳浩外野手(29)が初の「タナキクマル」そろい踏みを喜んだ。29日、都内で「三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式に出席。リーグMVP、最高出塁率、ベストナインに続く“4冠”となった丸は、同学年の遊撃田中広輔内野手(29)と二塁菊池涼介内野手(28)との3人同時受賞にうれしさ倍増だった。近日中に進路を決断するとみられるが、来季のタナキクマルは?

丸が2日前のNPBアワーズに続く表彰式に臨んだ。菊池と同じく6年連続6度目の受賞。「田中が3人で取りたいと言っていたので、かなってうれしい」。田中が初受賞。リーグ3連覇の原動力となった3人での同時受賞を喜んだ。

今季の守備での印象的な場面には8月31日ヤクルト戦(神宮)を挙げた。延長10回に決勝ソロを放ったが、同点の9回には1死一塁から広岡の左中間を破りそうなゴロを、スライディングしながらフェンス手前でストップ。サヨナラ負けを寸前で防いだ。打球判断、脚力、そして俊敏さ。バランスに優れる丸だから可能なビッグプレーだった。「あのプレーはギャンブル的な要素もあったけど、タイミング合わせながら捕球から素早く返球の流れがうまくいった」と自賛した。

5年連続で並んでいた広島緒方監督も抜いた。「数字上は抜いたけど、劣っている部分が多い。同じ打者でもピッチャーによっては打球方向が変わったりする。センターはポジションの指示を出すことも増える。意図を持った守備をするため、いい準備をしていけたら」と守備面にもこだわりを持ち続ける。

また二遊間コンビの同時受賞は広島では史上初。菊池は「夢が1つかなったというくらいうれしい」と笑顔を見せ、田中も「この世界に入って一番取りたかった賞。うれしい」と素直に喜んだ。菊池は広島OB山本浩二氏の10年連続受賞に挑戦する意欲をあらためて示し、田中は今季7つに減らした失策をさらに少なくする目標を掲げた。

そして丸は「ずっとセンターをやらせてもらって、センターラインは守備の中では重要なポジションだと思っている」と語った。FA宣言し、去就が注目される。近日中にも決断を下すとみられるが、来季もこの強固なトライアングルが見られるか。【大池和幸】